こんにちは、MATTU(@sunmattu)です。
新型XRグラスの「XREAL One」が2025年1月17日に発売されます!
XRグラスの「X1」チップを搭載し、非常にスムースでなめらかな描画を実現していますし、遅延も少なく首を大きく振ってもしっかり追従してくれます。
Windows PCでも抜群の安定した快適動作で、前モデルよりも明らかに大きく進化し、実用的なモデルになっています。
2024年12月の発表時には先行して試着した記事もご紹介しましたが、改めてXREAL Oneの実機をメーカー様よりお借りしました。
自分のデバイスで仕事にどれだけ使えるか?という観点で、年末年始を含め、2週間みっちりと使ってみました。
XREAL Oneを2週間使って感じたメリット・デメリットを、率直に語ろうと思います。
製品貸出:日本Xreal株式会社
(金銭・製品提供なし、事前確認なし)
「XREAL One」の特徴。実戦でどれだけ使える?
XREAL Oneの特徴を、実際使って感じたことも交えながら解説していきます。
驚異的な「X1」チップ搭載。快適さが段違い
今回「XREAL One」を一気に進化させたのは、やはり「X1」チップでしょう。
X1チップを搭載することで、接続しているホストデバイス側のグラフィックに依存することなく、XREAL OneのX1チップで処理をすることで非常に快適な動作が実現できます。
以前のモデルと異なり遅延も全く感じず(20~30ms⇒3ms)、首を大きく振ってもしっかり追従してくれます。
今までのXREAL Airシリーズを使っていると、固定モードで使って首を振ると映像が少し追従しきれずにボヤんと乱れることが多く、PC作業ではさすがに使いにくいかな…と思っていました。
XREAL Oneでは、ゼロになったわけではないですが限りなく目立たなくなり、かなり使いやすい印象です。
今まではXREAL Beamを併用しないとできず、併用しても届かなかった快適さが、XREAL Oneではグラス単体で実現できます。
Beamの起動の遅さや充電のネックから解放されたのは、非常に大きいと感じています。
なお、XREAL Oneを長時間使っていると、X1チップが内蔵されている左目側を触るとほんのり暖かくなります。
かけているだけであれば熱を全く感じず、快適に装着できます。
画面表示は3つのモードが引き続き搭載!ウルトラワイドモニターのように使える「ワイドスクリーンモード」にも対応!
XREAL Oneでは、XREAL Air2シリーズ+XREAL Beamでも利用できた、追跡・固定・サイド表示モードにも引き続き対応しています。
(Beamでのモード名称からは変更されているかもしれません)
モードの切り替えは、XREAL One本体右テンプル下の赤いボタン(Xボタン)を短く押すことで切り替えられます。
追跡モードは、頭の角度に応じて、画面が追従してくれるモードです。
ただし、グラス内のディスプレイに(目の位置に)張り付いて表示するわけではなく、頭の角度を移動させるとヌルっとついてきます。
このついてくる動作が結構気持ちいいです。
▼動画内で、XREAL One内で映っているディスプレイを撮影しています(該当箇所から再生します)
固定モードは、希望の角度に画面が固定され、空中に浮かぶディスプレイを見ているように安定して表示してくれます。
頭の角度によっては見切れますが、通常の固定モードでは後述のOSDメニュー画面で調整をすれば画面全体を見渡すことも可能です。
サイド表示モードは、小さめの画面で表示してくれるモードです。
サイド表示モード自体は初期状態ではOFFになっていて、OSDメニュー画面でONにすることで表示できます。
小さい画面は、追跡モードと同様に頭の角度を移動させるとヌルっとついてきます。
また、あとの「PCでの仕事で使ってみた」の章でも詳しく紹介しますが、「ワイドスクリーンモード」にも対応しています。
32:9のウルトラワイドモニターが目の前に現れるモードで、PC作業では非常に快適に使える便利なモードです。
PCでは、私はもっぱらウルトラワイドモニターを使っています。
3段階の調光調節システムにも対応!
XREAL Air2 Pro・XREAL Air2 Ultraでも対応していた、電磁的に調光調節できる機能にも対応しています。
XREAL One右テンプル上側のショートカットボタンを短く押すと、切り替えできます。
調光調節は、明るめ(クリアモード)・暗め(シェードモード)・真っ暗(シアターモード)の3段階を切り替えられます。
一番明るいレベルに設定していても、画面を表示していない場所を見る分には多少の暗さはありますがよく見えます。
ただし、画面を表示していると黒背景であれば見えますが、白背景の場合はその先が見にくくなります。
一番明るいクリアモードでXREAL Oneを使っていると、ディスプレイが何かしら光っていることはわかります。
具体的に何を映しているのかはもちろんわかりませんが、グラス内で何かを見ていることぐらいはわかる、という感じです。
暗いシェードモード・シアターモードでは、ほとんど外から判別することはできないと思います。
この記事内でXREAL Oneディスプレイの写真はグラス内のディスプレイをカメラで映しているため、下からの反射やエッジ部分を中心としたピントずれなどが発生してしまっているシーンもあります。
ただし、実際に画面下の反射は、そこまで感じません.。表示自体もくっきり見えます。
グラス内で調整できる!OSD調整機能が便利
XREAL Oneでは、赤いXボタンを2度押しするとスクリーン設定画面(OSD調整(On Screen Display))が表示され、グラス単体でXREAL Oneの設定をカスタマイズできます。
グラス内に表示するディスプレイの大きさや、ディスプレイまでの距離を変更できます。
それ以外にも、サイド表示モードやワイドスクリーンモード、右テンプル上のショートカットボタンのショートカットを変更することもできます。
なお、ワイドスクリーンモードの場合は、OSDでディスプレイの大きさは変更できず、ディスプレイまでの距離を変えても表示はほぼ同じで動かないようです。
インサートレンズは別売り、メガネユーザーはつけるべき!
XREAL Oneでは、インサートレンズはフレームも含め別売りとなっています。
XREAL Air・Air2シリーズでは、ノーズフィットを抜いてインサートレンズフレームを挟むような形式で挿入していましたが、XREAL Oneではノーズフィットとインサードレンズは完全に別で独立して着脱できます。
今回はXREAL One発売前にお借りしたためXREAL One用のインサートレンズを入手できず、XREAL Air2 Pro用に作っていたインサートレンズを海外製サードパーティのアダプターでかませて使ってみています。
サードパーティ製のため高さが少し合わず、カチューシャを後頭部に装着して高さ調整をして使っているのですが、いつもかけている眼鏡の上からXREAL Oneをかけるよりは圧倒的に見やすいし使いやすいです。
XREAL Oneが実用レベルでめちゃくちゃ使いやすいので、インサートレンズは作ったほうがいいと思います!
なお、インサートレンズを販売するJUN GINZAさんでは、以前のモデルを購入された方向けに10%オフする「リピートキャンペーン」を実施しています。
Boseとの協業で進化したスピーカー!ずーっと聴き続けられる
XREAL Oneのスピーカーは、Boseと協業し非常に高音質なスピーカーに仕上がっています。
実際にXREAL Oneで音楽ライブ動画を見てみると、かなりいい音質に仕上がっています。
低音域と高音域が大きめな印象で、聴きごたえがあります。
夜中に仕事をしながらサイド表示モードで音楽ライブを流して仕事をしていると、めちゃくちゃ快適な音で爽快感もあり、時を忘れて数時間聴き続け夜更かししてしまうほどでした。
Boseの現行オープンイヤーといえば、Bose Ultra Open Earbudsです。
Bose Ultra Open Earbudsには空間オーディオにも対応しています。
XREAL Oneの後継モデルなどでは、空間オーディオ対応などの未来はあったりするのでしょうか。グラス型とイヤーカフ型で表現は変わると思いますが……。こちらも楽しみになってきます。
XREAL Oneは、本気で仕事でもつかえる?2週間本気で使い倒して感じたこと
XREAL Oneを情報解禁前に一度試着させていただいたとき、めちゃくちゃ印象がよく便利そうに感じました。
ただ、その時は自分の機器・環境ではなかったので、「本気で仕事でもつかえるか?」という点ではもう少し検証が必要だと感じました。
今回、年末年始にかけてXREAL Oneをメーカー様からお借りできたので、様々な環境で長時間使って「本気で仕事でもつかえるか?」というポイントで検証してみました。
Windows PCと組み合わせ: めちゃくちゃ快適に、集中して仕事できる!
Windows PCとXREAL Oneを最初に接続したとき、普通に接続してグラス内で固定表示できていることにめちゃくちゃ感動しました。
所有しているノートPCはどれも高性能ゲーミングPCよりは少しグラフィックの劣るものなので、XREAL Air2 Proとの直接接続ではまともに動作できず、XREAL Beamとの併用を強いられていました。
XREAL Oneでは、グラス単体と直接接続するだけで快適に使えるので、めちゃくちゃ快適です。
主に、Snapdragon X Elite搭載のSurface Pro(第11世代)と組み合わせて使っていますが、非常に挙動は安定している印象です。
キーボードで打ちながら使ったりしていても、ブラインドタッチができる人であればまったく問題ありません。
私はたまに記号でキーボードを見る癖があったりしますが、XREAL Oneのディスプレイの下に隙間があるので、普通にキーボードを確認することもできます。結構便利に使えています
また、集中できるのも特徴かと思います。
特に集中したい場合には調光調節を真っ暗にしておけば、物理的に視界に入らないので非常に目の前の仕事に打ち込みやすい印象です。
デメリットがあるとすれば、ビデオ会議の時にXREAL Oneを装着したまま応対するべきかどうか…というのを少し迷う点ぐらいでしょうか。
Windowsとワイドスクリーンモードの相性が良すぎる!
私は、Windows PCでXREAL Oneを使う際は「ワイドスクリーン」モードをほぼ常時使っています。
ただし、一度に確認できるのは16:9の領域まで。
32:9の比率でウルトラワイドモニターのように表示できるため、よく使う3画面を並列表示しておき、見たいときに首を振ればすぐ確認できます。
▼動画内で、XREAL One内で映っているディスプレイを撮影しています(該当箇所から再生します)
ワイドモードの場合、基本的には32:9すべてを俯瞰して表示することはできず、最大で16:9までの表示となります。
自分は、XREAL Oneでは3画面分割で使っています。3画面分割の場合は、メインで作業しているアプリを真ん中に、サブで見ているアプリを両端に寄せておくことで、適宜確認しながら作業できます。
16:9の横側の「16」のうち、メインアプリは10.7(≒32/3)、どちらかのサブアプリが5.3(だいたい半分程度)が見えている感じです。
メインアプリも、全部が見えなくていいことも多いので、半々(両方8/11ぐらい)見えていてちょうど見やすい、という印象。
かならず16:9に各アプリを収める必要もなく、はみ出しても見切れるだけなので、結構便利だと思います。
通常の横長ウルトラワイドモニターの別の端を見る際に、視線だけちらっと向けるような感じでウルトラワイドを使っていた方にとっては、首を向ける慣れが必要かもしれません。
でも、慣れると非常に使いやすく、便利に使うことができます!
ソファーなんかに腰かけて、ワイヤレスキーボードを膝において足を組んでまったりと座って作業することもできますし、PC側の画面をオフにしておけば誰にも見られずに作業することが可能です。
これめっちゃよくないですか?
ノートPCのディスプレイとグラス内のARディスプレイを併用するのは少し明るさのギャップという観点でストレスを感じるので、ウルトラワイドモニター1枚で作業するのが一番効率がいいと思います。
21:9モードとかもできれば、なお便利かと思います。
Galaxyスマホと組み合わせ:Samsung DeXとの組み合わせも便利!スマホ単体でも!
GalaxyスマートフォンとXREAL Oneを組み合わせて使うのも、非常に便利です。
スマホとXREAL Oneをつないでミラーリングすることで、スマホの画面をグラス内に映し出せます。
縦長だと小さくなるので、特に動画などの場合は横長にして使うといいです。
動画を見る・映画を見るような用途には非常に便利ですし、SBS形式の3D動画(1つの動画ファイルで左目・右目を左右分割で表示する形式の3D動画)であれば、設定から有効にすれば見ることができます。
3D動画に関しては、スマホの横画面半分の大きさになるため、そこまで大きくは表示されません。迫力という意味では、VR専用ゴーグルのほうが現時点では上ですが、ARグラスでも見ることができる、という点でうれしいポイントです。
GalaxyスマートフォンはPCモードのSamsung DeXも利用できます。
私もGalaxy Z Fold6でSamsung DeXを利用していますが、DeXを起動すると画面上にタッチパッドを起動するようにしておけば、簡単に快適に使えます。
個人的には、スマホ画面のミラーリングよりPCモードのほうが使い勝手はいいように感じます。
メールやSNSなどを入力する場合は、スマホ画面でフリック入力ができます。
透過モードにしておけば比較的簡単に入力できるので、スマホである程度仕事ができるのもいいかもしれません。
(ただし、画面分割して2アプリ表示したいときなどはマウス操作になるので、DeXだと若干使いにくいです。Galaxy Z Fold6のメイン画面のほうがいいかも)
ゲームをする際には、手元とディスプレイが別々になるため、画面でタッチするようなゲームよりはコントローラーで遊べるゲームのほうが楽しめると思います。
iPad Proと組み合わせ:ワイドより通常モードのほうが使いやすいかも
iPad Proとも組み合わせて使ってみました。使っているのは2022年発売のApple M2搭載iPad Proです。
iPad Proを接続するとステージマネージャーがONになり、1画面拡張した状態で利用できます。
ミラーリング(複製)・拡張ともに利用できます。
ウルトラワイドでの利用も可能ですが、アプリの表示が大きくなりすぎるため、ちょっと厳しめかという印象があります。
実際のコンテンツ自体は適正に表示することができますが、たとえばOfficeアプリでは各メニューが大きく表示され行いたい機能にたどり着くまでに時間がかかります。
おそらく、iPad OSでウルトラワイドモニターに接続すると、横に広がるのではなく縦が短くなる方に動いているのではないかと思います。
ステージマネージャーで拡張して使う際には、Windows利用時とは異なり通常の固定モードで本体の画面とを合わせて使うといいのかもしれません。
このあたりの使い勝手は、iPad OS側の機能拡張アップデートにかかっているのかなと思います。
スマホ同様、YouTubeなどの動画・映画などを楽しむ場合には、非常に使いやすいと感じます。
総評:XREAL Oneは、PCと組み合わせての仕事は格段に便利!買い!
2週間、結構な時間をXREAL Oneとともに過ごしてきましたが、正直言ってめちゃくちゃ使いやすいです。
XREAL Air2 ProやXREAL Airとは比べ物にならないぐらい快適で、特にWindows PCとの組み合わせで使っているとめちゃくちゃ便利。
カフェなどでも、周りを気にせず集中して使えるため、(正直周りからどう見られているのかわからないですが)集中できます。
記事公開時点ではXREAL Air2 Proのインサートレンズを無理やり使っているということもあり、長時間使っていると顔の周りの窮屈感を若干感じてはいるのですが、裸眼の方や純正のXREAL One向けインサートレンズを使えば本当に快適に使えるのではないかと思います。
通常の追跡・固定モードで利用する場合には視野も問題ないのですが、ワイドスクリーン(ウルトラワイド)の場合はあともう少しだけ視野が欲しい、というか、ふとした時に俯瞰したい気もします。
ここについては、海外では「XREAL One Pro」がすでに発表されている(発売は3月)という点で、日本でも投入されるを待つのか、XREAL Oneで一刻も早く使い始めるのかがめちゃくちゃ迷うところではあります。
2週間XREAL Oneでガンガン使ってみましたが、出先の仕事でも十分使えますし、腰を据えてもバリバリ使えました。
テレビ会議や3画面以上の複数画面を同時に見渡すようなシーンでは使いにくいかもしれないですが、主に2画面を併用するような使い方でならかなり使いやすいように感じます。
XREAL Oneを今回使ってみて、仕事の仕方が大きく変わりそうな、めちゃくちゃ便利な製品に感じました。
ぜひ、皆様にも使っていただきたいです!
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