こんにちは、MATTU(@sunmattu)です。
ARグラスを多く手掛けるXREALは、新製品「XREAL One」を本日2024年12月11日に発表しました。
従来のXREAL Air2 Proの系譜をひく新製品で、グラスの中にまるで目の前に広がるディスプレイは、ゲーミングや仕事など、様々な体験がアップグレードされます。
今回のXREAL Oneの一番の特徴は、自社設計の「X1」チップが搭載されたこと。
データ処理をグラス内で行えて遅延やちらつきが大幅に軽減されただけでなく、歪みの修正もリアルタイムで行えます。
また、これまではWindowsデバイス接続時にはグラフィックの制限がありましたが、XREAL Oneではグラフィック性能に関わらず、ほとんどのWindowsデバイスでも接続が可能に!
また、ディスプレイの視野角は50度に広がり、32:9のワイドモードが利用可能になります。
ウルトラワイドモニターを持ち運べるような感覚はすごいです。XREAL Beamなしでも、仕事でのPC利用も可能です。
音響はBoseと協業し、X1チップ採用により3msまでの低遅延を実現することで、ゲーミング用途や映画などの迫力ある動画を見るときにも、めちゃくちゃ相性がいい印象です。
今回は、発表前に事前にXREAL Oneを体験し、XREAL CEOのチー・シュー氏へのグループインタビューの機会を頂きました。
XREAL Oneについて、詳しくご紹介していきます。
[2024/1/8更新] レビュー記事を公開しました!
先行でメーカー様よりお借り出来たので、XREAL Oneが仕事で使えるか?本気で2週間使ってみました。
X1チップで、性能も体験も大幅に向上した「XREAL One」!
XREAL Oneは、XREAL Airシリーズの系譜をひく新製品です。
私もXREAL Air・XREAL Air2 Proを持っているのですが、XREAL Oneの体験は大幅に向上し、もうPCのディスプレイはいらないのでは…と思うほどでした。
XREALとして初めての自社開発チップ「X1」を搭載!超低遅延で快適!
XREAL Oneは、XREALとして初めての自社開発チップ「X1」を搭載しています。
AR業界としても初めての試みです。
ARグラス内にチップが載るのは非常に革新的なことです。
従来はIMUのデータはいったんホスト側のCPUに戻し、GPUで処理をかけてグラスに戻すため、往復する必要があります。
X1チップで処理が可能になったことで、グラスとホストデバイスで行っていた通信・やり取りもX1チップ単体で行えるようになります。遅延も減ると同時に、ホストデバイスの負荷も下げられます。
XREAL Oneの遅延は3msと、超低遅延で利用することが出 来ます。
ちなみに、従来のXREAL Airシリーズでの遅延が20~30ms、Apple Vision Proは12msとなっており、大幅な低遅延を達成できていることがわかります。
グラス側で処理できるので、デバイス側の性能は問われない…Windowsでも幅広く利用可能!
XREAL Oneに搭載されているX1チップは、ホストデバイスから出た信号をIMUでそのまま処理をかけて投影する仕様になっています。
X1チップが単独で処理をしてくれるため、ホストデバイス側の処理も下げてくれるのです。
XREAL Air・Air2 Proでは、Windows PCとも直接接続することはできたのですが、推奨スペックとしてGPUがNVIDIA RTX 3060以上と、ある程度制約が発生します。
制限はかかっていないのでこれ以下でも動作できますが、手元のPCでもかなり重い印象です。
別売りのXREAL Beamを利用すれば、ある程度快適に動作できるようになります。
今回発売される「XREAL One」では、Windowsでもグラフィックの制限なく、幅広いデバイスで利用できます!
ゲーミングPCでなくても、気軽にXREAL Oneを使えるのは非常に強すぎます。
X1チップが搭載されたことで、XREAL Beamも不要で、グラス単体でPCやスマホに接続して簡単に使えます。
XREALのチー・シューCEOとのグループインタビューでは、X1チップ等への開発の思いも語られました。
その中で、XREAL One自体は3DoF(3自由度)ではありますが、X1チップ自体は6DoFへの対応、ハンドトラッキング等も対応しているとのこと。
6DoF対応製品(XREAL Air2 Ultraの後継に当たる商品?)も、今後準備しているということです。
ディスプレイの視野角は50度に拡大!X1チップで、画面端のゆがみも解消
XREAL Oneの視野角は50度に拡大しました!
XREAL Air 2・XREAL Air 2 Proの視野角は46度、XREAL Air 2 Ultraは52度だったため、数値上はちょうど中間程度。
見える範囲としては、XREAL Air 2 Proより30%程度向上している、という形です。
私はXREAL Air 2 Proを使っておりましたので、XREAL Oneを始めて使ったときに「お!広くなった!」と感じました。
また、X1チップが搭載されたおかげで、視野端で出やすいゆがみもリアルタイムで修正し、安定した表示ができます。
また、XREAL Air 2 ProやXREAL Air 2 Ultraと同様に、調光モードを電磁的に変更可能で、今回ディスプレイの明るさ調整もXREAL One本体の設定から利用可能です。
32:9のウルトラワイドディスプレイ代わりに!ワイドモードでも利用可能!
さらに、今回のXREAL Oneでは「ワイドモード」を選択できます。
ワイドモード使用時には、32:9のウルトラワイドディスプレイとして利用が可能です。
私自身も49インチ32:9のウルトラワイドディスプレイをメインに使って仕事をしています。
XREAL Oneではちゃんと32:9の比率でMacBook Proから出力し、目の前のARディスプレイ上に表示出来ていました。
ディスプレイまでの距離を調節すると、32:9の全体を表示できます(初期状態は5mの距離で、その場合は32:9の一部(とはいえ大半は見えている状態ですが)が表示されているような形です。
XREAL Air 2 Pro使用時も、XREAL Beamを通しても首の動きに対して少しぶれを感じるときがありました。
今回のXREAL Oneでは、かなり改善されており(まったくブレないというわけではないですが)、実用的な感じがします。
今回、XREAL One Proも海外発表されており、そちらは57°の視野角とさらに広がっています。
50°のXREAL Oneではワイドモード表示時、ギリギリすべて表示できない状況だったのですが、もしかするとXREAL One Proだと5mの距離(初期設定時)でもスクリーン全体を見渡せるのではないか…と非常にワクワクします。
(今回、事前に試せたのはXREAL Oneで、XREAL One Proのほうは使っておりません)
スピーカーはBoseと提携!
XREAL Oneのスピーカーは、Boseと協業し非常に高音質なスピーカーに仕上がっています。
以前もレンズ型デバイスを手掛け、至近ではBose Ultra Open Earbudsなどオープンイヤー型デバイスも手掛けるBoseとの共同開発を行っています。
BoseもXR関連にておかけられたい、という思惑があり、お互いの利害に一致して協業のパートナーに至ったとのこと。
今後複数年にわたって、BoseとXREALは協力関係を築くことができているとのことです。
実際に音響も味わってみましたが、かなり没入感のある印象でした。
低音も響いていて、かなり音はいい印象です。
その他のXREAL Oneのポイント
そのほかのXREAL Oneのポイントは、以下の通りです。
- 接近センサーが接触センサーに変更
- レンズのフレームカラーを変更可能に(前作は磁石等でつけ外しするスタイルだったが、今回は物理的にくっつけられる機構を備える)
- インサートレンズは、過去モデルと互換性がなく、今回はインサートレンズフレームも別売り
インサートレンズの画像からも、XREAL Air2 Proなどとは異なる形のフレームをしており、別売です。
毎度買い替えないといけないのは少し面倒ではあります……。
XREAL ARグラスにXREAL Beamがドッキングしたような使用感。めちゃくちゃ快適に使える!
今まで、筆者自身もXREAL Air(旧Nreal Air)・XREAL Air2 Proと使ってきていますが、個人的にはあまりゲームをしないこともあり、やはり最も使いたいシーンは仕事中です。
PCに接続して使いたい!と思うことが多かったのですが、今までのXREAL AirシリーズはPCのグラフィックスを使うため、ゲーミングPCなどのある程度パフォーマンスを必要とするPCでないと使えませんでした。
それを補う役目でもあったのがXREAL Beamではありますが、手軽に持ち運ぶには少し重いし、接続が面倒…というような感じでした。
XREAL Oneでは、グラス上にXREAL Beam同等のメニュー画面もきちんと表示され、便利に使えます。
特に、前述の「ワイドモード」は、正直感動モノでした…!
使用するPCを選ばず、持ち運び用の軽いWindows PCとXREAL Oneなど、サクッと使えるのは非常に便利な印象です。
もちろん、PCだけでなく、iPhoneやAndroid、GalaxyのSamsung DeX(PCモード)など、デバイスを選ばずに快適に使うことができます。
ゲームや映画なども没入して味わえますし、出張中の新幹線や飛行機、仕事先のカフェなど、サクッとつないで楽しめるのは非常に便利です。
個人的には、ついにモバイルディスプレイはいらなくなったのでは?と思うほどです。
ぜひ、XREAL Oneを使ってみていただきたいです!
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