こんにちは、MATTU(@sunmattu)です。
ベルリンで開催されたIFA2024でも圧倒的なパフォーマンスを見せつけ驚かせた、Lunar Lakeがついに登場です!
ASUSからZenbook S 14 UX5406SAが2024/10/3より発売されています!
1.2kgの軽量・最薄12mmを切る薄さを実現しながら、Intel Core Ultra(シリーズ2) 258V(最大)を搭載、非常にパフォーマンスと省電力性を両立したPCに仕上がっています。
Intel Core Ultra シリーズ2のAI性能は最大47TOPSを実現し、Copilot+ PCの要件を満たしています。
2024年11月以降に行われるアップデートにて、Copilot+ PCとしてAIの機能も利用できるようになる予定です。
はたして、Lunar Lakeの実力はどれほどでしょうか?
今回は、Zenbook S 14 UX5406SAをASUS JAPAN様より先行してお借りしましたので、レビューしていきます。
商品貸出:ASUS JAPAN株式会社
薄くて軽い!デザイン素敵、持ち運びも便利なZenbook S 14 UX5406SAが素晴らしい!
ASUS Zenbook S 14 UX5406SAをレビューしていきます。
素敵な「セラルミナム」(=セラミック+アルミ)の天板が美しい
Zenbook S 14 UX5406SAの天板は、日所にさらさらとした独自の「セラルミナム」を採用しています。
セラルミナムとは、ASUSが開発した環境にも優しい「セラミック」と「アルミニウム」を融合した堅牢な素材で、さらさらと軽くて手触りがよく、硬度や耐摩耗性・耐食性にも優れています。
ASUSの「A」をかたどったロゴが天板の線で描かれているのですが、非常に折り紙のようで素敵です。
こうやってななめから見ると、さらさらした感触がわかりやすいかもしれません。
確かに、セラミックのような質感もある、不思議な天板で非常に素敵。
薄くて軽い!軽量で持ち運び最適!
Zenbook S 14 UX5406SAは非常に薄く、最薄で11.9mm、重量も約1.2kgと14インチノートPCの中では非常に軽いです。
CPUにはIntelの最新CPU”Lunar Lake” Intel Core Ultra 7 258Vを搭載しています。
端子も充実しており、左側面にはHDMI、USB Type-C(Thunderbolt 4/PD)が2つ、3.5mmイヤホンジャックが搭載。
端末右側面には、USB Type-Aの10Gbps対応端子が搭載されています。
開いた状態でも、非常に薄いのがわかりますよね!また、背面のゴム足が非常にしっかりしており、安定して使えます。
日本語配列のキーボードも、打ちやすさが向上!
日本語配列のキーボードも、打ちやすさが向上しています!
ASUSのキーボードは海外の配列と筐体は共通化しつつ、日本語仕様にキーがカスタマイズされています。
今までの13~14インチサイズのキーボードは、¥キーやEnterキー周りが込み合っていて打ちにくいことが多かったのですが、Zenbook S 14 UX5406SAのキーボードは一番左側の1列が少し細めにシフトしていて、その分右側に余裕ができています。
自分も打ってみると、非常に打ちやすい印象を持ちました。
美しい有機ELディスプレイ、最上位構成はタッチパネル対応!
ASUSの有機ELグレアディスプレイは非常に美しく、このASUS Zenbook S 14 UX5406SAも非常にきれいな画面です。
ディスプレイは、最上位の構成のみタッチパネルに対応しています。
Intel Core Ultra 7 258V搭載モデルの中でも、タッチパネル搭載モデルと非搭載モデルの2種類が発売されていますので、ご注意ください。
今回はタッチパネル搭載モデルをお借りしているのですが、タッチパネル搭載モデルはペン入力にも対応していました。
(仕様表には書かれていませんでしたが、ペン入力試してみたら出来ました!)
上記の例ではSurface Slim Penで試していますが、ASUS Pen 2.0等でもペン書き可能です。
ただし、Zenbook S 14 UX5406SAは140度程度までしか開かず、ペンで書くと少しぐらつきます。ご注意ください。
Intel Core Ultra 7 258V (シリーズ2・Lunar Lake)搭載!冷却性能も万全!
ASUS Zenbook S14 UX5406SAは”Lunar Lake”ことIntel Core Ultra 7 258V (シリーズ2)が採用されています。
AI性能としては47TOPSに対応し、Copilot+ PCの機能も11月のアップデートより使用できる予定です。
Lunar Lakeは、先代のCore Ultra シリーズ1とは異なり省電力設計として作られております。
電力は抑えつつパワフルなチップとして利用できます。
ベンチマークや電池持ちの検証は次の章で詳しく検証します。
チップだけでなく、ASUSのこだわりでもある冷却性能は非常に強化されています。
軽量薄型を実現していますが、Zenbook S 14 UX5406SAのPC内部にはデュアルファンと排熱を効率よく行うベイパーチャンバーが搭載されています。
2層のグラファイトシートも搭載され、安定した排熱を実現しています。
キーボード上部には2715個のCNC加工された冷却ベントを含む、斬新な幾何学的グリルデザインが施されています。
このグリルで冷却性能を向上させており、安定した性能を実現しています。
Zenbook S 14 UX5406SAのマシンスペックと構成の違い
Zenbook S 14 UX5406SAのマシンスペックと構成の違いは、以下の通りです。
項目 | ASUS Zenbook S 14 UX5406SA | |||
---|---|---|---|---|
大きさ | 310.3×214.7×11.9~12.9mm, 約1.2kg | |||
画面 | 14.0インチ OLED(有機EL), 2880×1800, 120Hzリフレッシュレート | |||
CPU | Intel Core Ultra 7 258V | Intel Core Ultra 7 256V | Intel Core Ultra 5 226V | |
メモリ | 32GB | 16GB | ||
ストレージ | 1TB | 512GB | ||
グラフィック | CPU内蔵(Intel Arc Graphics 140V) | CPU内蔵(Intel Arc Graphics 130V) | ||
NPU | CPU内蔵(Intel AI Boost:最大47TOPS) | |||
バッテリー容量 | 72Wh(消費電力65W) | |||
カメラ | インカメラ 207万画素赤外線カメラ内蔵 Windows Hello 顔認証対応 | |||
オーディオ | クワッドスピーカー内蔵(1Wx2、0.8Wx2)・アレイマイク内蔵 | |||
通信 | Wi-Fi 7対応 Bluetooth 5.4 | |||
ポート | USB Type-C (Thunderbolt 4/PD) x2、USB Type-A(Gen2)x1 HDMI 2.1×1, 3.5mmオーディオ端子x1 | |||
タッチパネル | 搭載 | 非搭載 | ||
価格 | 299,800円(税込) | 259,800円(税込) | 239,800円(税込) | 219,800円(税込) |
最上位のIntel Core Ultra 7 258V搭載モデルはタッチパネル搭載有無で2パターン、そのほかに搭載CPUの違いで2パターンの計4パターンがラインナップされています。
各構成ごとに2色ずつラインナップされており、合計8機種の構成となります。
Lunar Lakeの実力は?Zenbook S 14 UX5406SAのベンチマーク・バッテリー持ち測定結果
それでは、Lunar Lakeがどれだけ省電力でパワフル化、ベンチマークやバッテリー持ちの測定結果を他機種と比較していきます。
なお、ベンチマークテストはファンモード「フルスピードモード」、電源は「最適なパフォーマンス」でテストしています。
他のASUS PCでは、電源を抜くとフルスピードモード・パフォーマンスモードが選択できなくなり、スタンダードモードに下がることが多いのですが、Zenbook S 14 UX5406SAは電源を抜いても「フルスピードモード」を維持してくれています。
CPU性能測定結果【CineBench 2024 / CineBench R23】
まずは、CPU性能をCineBenchで測定しました。
CineBench 2024
CineBench 2024では、マルチ574、シングル112となりました。
他機種と比較すると以下の通りです。
赤枠が今回のZenbook S 14 UX5406SA、黄色い枠内が今年発売されたSnapdragon X Elite・Ryzen AI 9 HX370など競合機種です。
Core Ultra 7 258Vは8コア構成となっていることもあり、マルチではSnapdragon X Elite・Ryzen AI 9 HX370にくらべると控えめな結果となっています。
シングルコアでは他社とも戦える互角の性能を実現しています。
CineBench R23
続いては、CineBench R23です。
CineBench R23は、マルチ9468、シングル1608となりました。
他社と比較すると、Snapdragon X Elite/Plusはエミュレーションでの測定となっているため先ほどよりはスコアが下がっています。
こちらも同様に、Core Ultra 7 258VはマルチではSnapdragon X Elite・Ryzen AI 9 HX370にくらべると控えめな結果ですが、シングルコアではかなりのパワーを発揮しています。
GPU性能を比較【GeekBench・FFXV】
続いては、GeekBenchにてグラフィック性能を測定すると、以下の通りでした。
OpenCLで28580、Vulkanで35694でした。
CPUのほうは、シングルが2382、マルチは10554となりました。
GPUの性能としてはSnapdragon X Eliteを上回っています。
Ryzen AI 9 HX370よりは少し下回っていますが、このあとのFFXVや動画書き出し時間の比較を踏まえれば、Intel Core 7 258Vは省電力設計のわりに非常に頑張っている印象です。
ファイナルファンタジーXV ベンチマーク
ファイナルファンタジーXVのベンチマークでは、標準品質が4232「普通」、軽量品質が6087「快適」という評価でした。
このゲームスコアとしては、Ryzen AI 9 HX370とも互角にも思えますよね。
3DMark Solor Bay・Wildlife・Night Raid
3D Mark 結果 | Zenbook S 14 S5406SA |
---|---|
Timespy | 4353 |
Wildlife Extreme | 7486 |
Wildlife | 27861 |
Solor Bay | 15222 |
Night Raid | 33886 |
Night Raid(電源接続なし) | 26600 |
Night Raid(電源接続なし)以外は、すべて電源に接続しての測定です。
ちなみに、Night Raidは、競合機種との結果は以下の通りでした。
機種 | Zenbook S 14 S5406SA | Vivobook S 14 M7496WA | Vivobook S 15 S5507QA |
---|---|---|---|
CPU | Core Ultra 7 258V | Ryzen AI 9 HX370 | Snapdragon X Elite X1E-78-100 |
Night Raid | 33886 | 33461 | 26449 |
Night Raid(電源接続なし) | 26600 | 25273 | 23788 |
Core Ultra 7 258Vはよく踏ん張っているように感じます。
省電力設計ではありますが、Ryzen AI 9 HX370と互角のスコアであることが多いです。
PCMark10・PassMark
PCMark 10やPassMarkでの測定結果も紹介します。
PCMark 10
PCMark10では、用途ごとにスコアを算出します。
- Essential : アプリ起動・ビデオ通話・ブラウザ
- Productivity : Excel・Word
- Digital Content Creation : 画像編集・動画編集・レンダリング
- Gaming
の4つで測定をしています。
Gamingを除いたPCMark 10トータルスコアでは6949、Gamingを含めたPCMark 10 Extendedは6594となりました。
競合のRyzen AI 9 HX370よりは少しおさえめではあります。
PassMark
PassMarkの測定結果は、上記の通りです。
ゲーム系のベンチマークに比べ、PCMarkやPassMarkは少しおさえめに出ているような気もします。
Davinci Resolveでの動画編集・書き出しは快適?
Davinci Resolveで動画編集や書き出しもしています。動画編集の様子は、下記動画内で行っています。
アプリの立ち上げも早く、非常に快適に動画編集が行えます。
動画書き出し時間を比較すると、以下の通り。
19分12秒の4K動画を、ハードウェアアクセラレータ使用で13分46秒、Nativeでも16分57秒で行えました。
省電力設計の薄型ノートPCですが、M1搭載のMacBook Pro(15分16秒)よりも速い時間で書き出すことが出来たのは、非常にすごいです。
ちなみに、次の章でご紹介するバッテリーテストでは電源接続せずに動画書き出しを行いましたが、こちらでも14分~15分程度とほぼ速度が落ちることなく動画の書き出しを完了できています。
どんな環境でも安定して動画編集・書き出しができるのは、なかなかにすごいと思います。
「省電力」ってどれだけ?高負荷時のバッテリーテストで比較!
続いては、Lunar Lakeの省電力性能をテストしてみたいと思います。
さまざまな用途でバッテリーテストを行ってみています。
高負荷時の2つのテストで比較
まずは、先ほどの19分12秒の4K動画書き出しを2回⇒3D Mark Night Raid Stress Test (1回20分)を2回行い、あとは画面ONで放置するテストを行いました。
青い太線が今回のIntel Core Ultra 7 258V搭載のZenbook S 14 UX5406SAです。
競合のRyzen 9 AI HX370搭載のVivobook S 14が緑、Snapdragon X Elite X1E-78-100搭載のVivobook S 15がオレンジです。
最初の動画書き出し2回終了後のバッテリー残量としては、Intel Core Ultra 7 258V搭載のZenbook S 14 UX5406SAは78%。
Ryzen 9 AI HX370の方も残り76%ですが、書き出し時間が4分ほど短いのが特徴的です。
Snapdragon X Eliteは動画編集は少し不向きなのか(ARM版のDavinci Resolveを使っていますが)少し時間がかかっています。
ベンチマークテストを合計40分回すと、電池の減りはSnapdragon X Eliteが最も少ないですが、このテストではトータルではCore Ultra 7 258Vが最も電池持ちがよさそうです。
ひたすらベンチマークテストを回し続けると
続いては、ひたすら3D Mark Night Raid Stress Testを回し続けました。
Ryzen 9 AI HX370はお借りしたときにこのテストを行っていなかったのですが、かわりにSnapdragon X Plusの結果を出しています。
バッテリーの減りは、90%以下は非常に安定しているのがわかります。
30%を下回るとどの端末も省電力モードに入るのですが、Core Ultra 7 258V搭載のZenbook S 14 UX5406SAは30%を下回ってもそのままの角度でバッテリーが減り続けています。
動画レンダリングをずっと続けると
続いては、19分12秒の4K動画書き出しをずっと繰り返してみました。
大きな丸のところが書き出し完了したポイントです。
Intel Core Ultra 7 258Vは、やはり動画書き出しの速度が速く、どの回もだいたい15分前後で書き出しが終わっていました。
また、バッテリー残量が少なくなっていてもバッテリーの減り具合や書き出し時間は全く変わらず、安定したパフォーマンスで書き出しができていることがわかります。
Snapdragon X Eliteのほうは、30%を下回ると徐々に傾きが緩やかになり、書き出し時間が長くなっていることがわかります。
実際の電池持ちは?ライト利用でバッテリー持ちを比較!
続いては、ヘビーな利用ではなく、ライトに作業するときはどの程度のバッテリーの減りか、比較してみます。
Intel Core Ultra 7 258V搭載のZenbook S 14 UX5406SAは、画面ONしっぱなしで1時間につき6%、画面OFF・スリープで1時間に1%未満。
動画視聴・Officeなどの作業時で1時間につき12%程度の減りでした。
上記のテストでは、作業時はYouTube動画視聴を5時間弱繰り返しましたが、別のタイミングでOffice・ブラウザでブログ執筆作業なども行っても同様に1時間に12%程度の減りとなっていました。
バッテリーの持ちは、全体的にSnapdragon X EliteよりもCore Ultra 7 258Vのほうがいい印象です。
Office・ブラウザなどライトな用途のみ行うのであればSnapdragon X Plusがいい気もしますが、作業中は省電力ですがスリープ・画面ON時の動作が少しバッテリー消費しがちな気がします。
ちなみに、Intel Core Ultra 9 185H(シリーズ1)搭載のZenbook DUO UX8406MAでも1画面利用でバッテリー消費測定したところ、画面ON時は1時間に15%、画面OFF・スリープ時は1時間に1%、作業時(動画視聴)で1時間に24%の消費でした。
全体的にバッテリー消費量が半減しているCore Ultra 7 258V搭載のZenbook S 14 UX5406SAは、かなりいい仕事をしているのがわかります。
薄型軽量と省電力を両立したパワフルなZenbook S 14 UX5406SA、ついに本命のモバイルノートが誕生した?
今回は、ASUS Zenbook S 14 UX5406SAをレビューしました。
よりパワフルなノートPCなどはゲーミングPCなどありますが、薄型軽量で高性能なノートPCとしては、ついに本命のモデルが登場してくれたのではないかとおもいます。
デザインも非常に美しく、最薄11.9mm、重量1.2kgと軽いですが、省電力を実現しながら動画書き出しなどの用途にも耐えうる性能を実現しているのは、非常にうれしいです。
これだけ省電力ですけど、ARMではないんですよね。驚きです。
ぜひ、いろいろなところに持ち運びたいモバイルノートPCをお探しの方は、Zenbook S 14 UX5406SAを選択肢に入れたほうがいいと思います!
めっちゃほしい。
Zenbook DUOもこれぐらい省電力かつパワフルなモデルが出てくれないか…と期待したいです。
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