こんにちは、MATTU(@sunmattu)です。
単なるめがねではなく、スピーカー・マイクやカメラなどを組み合わせた次世代の「スマートグラス」が多数発売されています。
このサイトでも、ファーウェイのHUAWEI Eyewearをレビューしていますし、ARグラスのXREAL Air2 Proなど、完全なる夢物語ではなく現実生活に近い形で使いやすいスマートグラスが発売されています。
先日参加したSnapdragon Summit 2023にて、Snapdragon Insidersのメンバーに商品提供されたのが、Ray-BanとMetaが共同で発売した「Ray-Ban Meta スマートグラス」です。
Snapdragon AR1 Gen 1が搭載された「Ray-Ban Meta スマートグラス」は、それまでHUAWEI Eyewearを日常利用していた私MATTUも驚くような、高音質のスピーカーやマイクが搭載されています。
また、レンズ端には1200万画素のカメラが内蔵されており、写真や動画を気軽に撮影できます。
Ray-Ban Meta スマートグラスにはAR・VRになるような拡張ディスプレイは搭載されていないのですが、実際にこのグラスレンズで撮影したものを後で見返してみると、スマホで撮影した映像とはまた違う、没入感のある体験に非常に驚かされました。
今回は、このRay-Ban Meta スマートグラスを実際にレビューしていきます。
商品提供:クアルコム(Snapdragon Summit)
Ray-Ban Metaスマートグラスは、どれだけ使える?
「Ray-Ban Meta スマートグラス」は、Ray-BanとMetaの協業で開発されたスマートグラスです。
2021年に発売された「Ray-Ban Stories」に続き、2世代目となります。
実際に使って感じたことをレビューしていきたいと思います。
さすがRay-Ban!絶妙な付け心地
Ray-Ban Metaスマートグラスは、Ray-Banのクラシックな「WAYFARER(ウェイファーラー)」と、丸みを帯びた「HEADLINER(ヘッドライナー)」の2種類があります。
今回は、Snapdragon Summit 2023開催中に、Ray-Ban MetaスマートグラスのWAYFARERを、なかば争奪戦のような感じで頂きました(参加したSnapdragon Insidersのメンバー全員に配られています)。
Ray-BanのWAYFARERは、Ray-Banの最もクラシックなスタイルのサングラスです。
Ray-Ban Meta スマートグラスはバッテリー・チップセットやスピーカー・マイク・カメラなど、多数のパーツが埋め込まれているスマートグラスですので、どうしても重く・太くなりがち。
ただ、WAYFARERの形状が、ちょうどいい太さ・大きさをしている気がします。
実際つけてみると、少し縁の厚さは感じるものの、Ray-Banのサングラスであることを考えると結構自然な感じがします。
重さはそこそこあります。度入りレンズ換装後の重さで、50.6g。
競合のHUAWEI Eyewear 2と比べると、数値的には少し重そうですが、そこまで重すぎるわけでもないです。
また、鼻の接触部にノーズパッドがなく、つねに接触します。
(人によっては、鼻の部分が浮く場合もあり得ます)
サングラスはノーズパッドがないものが多いと思います。
なお、パッド部にもマイクが仕込まれています。マイクの感度にいい影響を与えていそうです。
ケースにバッテリー&USB Type-Cポート付属。ケースに収納すると充電できる!
ケースは革製のおしゃれなデザインとなっています。
マグネットの仕込まれたふたは開閉部分にボタンのようなものが埋め込まれていますが、ここにLEDが仕込まれています。
ケース自体にバッテリーが内蔵されており、ケースにスマートグラスをセットすると充電開始されます。スマートグラスの充電端子は、鼻部分についています。
完全ワイヤレスイヤホンのイヤホン本体とケースのような関係で利用できます。
ケースのLEDは、充電状態によって、満充電時は緑、そうでない場合にはオレンジ色に点灯します。
スマートグラスをケースにセットしたときにはスマートグラスの充電状態が、セットされていないときにはケースのバッテリーの充電状態がLEDで確認可能です。
(ケースのLED以外にも、スマホのMeta Viewアプリで確認可能です)
ケースにはUSB Type-C端子が付属されていて、ケースを持ち歩けば外出先でも充電が可能です。
また、ケース裏にはペアリングボタンがあり、長押しすることでペアリングモードになります(リングLEDが青の点滅になります)。
スマートグラス自体の電池持ち時間は公称4時間、ケースのバッテリーを利用すると36時間の利用が可能です。
ケースも持ち歩くという前提ではありますが、出先でも結構便利に使えるので、かなり重宝しています。
スピーカー音質はめちゃくちゃいい!低音域もしっかり響く
Ray-Ban Meta スマートグラスの「つる」の耳との接触部分に、スピーカーが内蔵されています。
左右両方でステレオサウンドで楽しむことが可能です。
イヤホンのような耳の中で楽しむタイプのものではないですが、音漏れ対策もしっかりしています。
逆位相波を外側に向かって出すことで、近くにいる人にも音が聴こえにくくなります。
ただし、周りで完全に聴こえなくなるわけではないです。音の漏れ具合は、HUAWEI Eyewearなど他社と同等か、少し抑えられているかな?という感じです。
スピーカー音質は、オープンイヤーなスマートグラスの中ではかなりいいです。
低音域が非常に効いており、他社のスマートグラスより音質はかなり近く満足できますし、耳をふさがないのでずっと聴き続けられます。
個人的には、こんなに音質がいいのか、と驚かされました。
もちろん、ワイヤレスイヤホンやヘッドホンのほうが音はいいのは事実ですが、わざわざイヤホンを装着せずとも、気軽に耳元で音楽を楽しめるのは非常にうれしいところです。
テンプル(つる)の部分にはタッチセンサーもついていますので、タップで音楽の一時停止/再生、ダブルタップで曲送り、前後へのドラッグでボリュームの調整も可能です。
スマートグラスにカメラが載ると、こんなに世界が変わるの?
Ray-Ban Metaスマートグラスには、AR/VR用のディスプレイは搭載されていないですが、カメラがついています。
右目のサイドにはLEDインジケーターが、左目のサイドにカメラがついています。
LEDのわきのテンプルの部分にボタンがついていて、ここを短押しすると写真を、長押しすると1回につき60秒までの動画を撮影できます。
撮影する瞬間に、LEDが白く点灯します(録画の場合は、録画中撮影し続けられます)。
盗撮などの懸念も、ある程度カバーできるようになっています。
カメラ自体は先代のRay-Ban Storiesでも搭載はされていましたが、個人的にはRay-Ban Metaスマートグラスで初めて経験します。
HUAWEI Eyewearシリーズにはカメラの搭載がなかったので、どんな使用感になるのか楽しみでした。
写真の作例
実際に撮影してみると、写真・動画ともに、縦長で撮影が可能です。
外で撮影してみると、かなり映りがいいのがわかります。
鮮やかな写真が撮影できます。
超広角カメラのため、少しゆがむ場合はありますが、屋外だと結構いい写真が撮れる印象です。
屋内などでは、少し光源に弱い気もします。
フレアができやすく、全体的にボワンとしがちな印象を受けます。
また、撮影前に画角を確認できないのは微妙にデメリットかもしれません。
ただ、スマホを出さずともメガネのボタンを押すだけで簡単に撮影できるのは、とっさの瞬間を撮影する際にも非常に便利だなと思います。
動画の作例
写真以上に驚きをもったのは、動画シーンです。
動画では、カメラとともにRay-Ban Metaスマートグラスのマイクで集音されます。
撮影した映像を、スマートグラスをかけて鑑賞すると、その時の情景がめちゃくちゃリアルに再現されます。
▼動画の作例(再生ボタンタップで該当箇所から再生されます)
非常に集音性能がいいのか、音声は非常に自然に録音できています。
また、映像も、写真の時よりもさらに印象がいいように感じます。
個人的には、Galaxy Z Fold5のメインディスプレイのような、大きめなスクリーンに映像を映しながら見るのをおすすめします。
AR/VRとは少し異なる気がするスマートグラスですが、この動画を見るとスマホでのカメラ撮影では味わえない臨場感を体感できます。
撮影後、スマホへ撮影データを自動転送
Ray-Ban Metaスマートガラスにも32GBのストレージが用意され、その中で保存されます。
また、Meta Viewアプリで設定していれば、接続しているスマホに撮影データを自動的に転送してくれます。
実際にはWi-Fiに接続しているときに転送してくれている感じです。
かなりシームレスに転送してくれるので、撮影したデータをSNSで簡単に共有できます。
FacebookやInstagramでライブ配信も可能
Ray-Ban Metaスマートグラスのカメラを使って、ライブ配信も可能です。
Metaのアカウントを使ってFacebookやInstagramにログインし、ライブ配信のページに行くと「スマートグラスを使って配信」というメニューが表示されます。
メガネのボタンをタップすると、配信できます。
スマートグラスのめがねは外側に向いているため、自分が見える景色をそのまま配信できる、という点には非常に魅力的ですね。
個人的にはYouTube Liveなどでもやってみたい、という気がするのですが、Metaアカウントで連携できるFacebook・Instagramに限定されています。
マイクは5つも搭載!電話・LINEでもビデオ会議でも、完全ハンズフリーで聞き取りやすい!
マイクは、右側アーム・左側アームに2つずつと、ノーズパッドに1つの合計5つが搭載されています。
実際にテレビ会議や電話でも使ってみましたが、非常にクリアな音声で楽しめます。
(先ほどの動画の作例でもマイクの性能はわかると思います)
相手にも「聴きにくくない?」と聞いたところ、全然大丈夫、むしろ聴き取りやすい、という応答も返ってくるほど。
Meta AIにも対応。現状日本語は非対応ですが、「Hey Meta」と声をかけると非常に感度よくすぐに立ち上がり、高速でレスポンスが返ってきます。
日本語対応も期待したいところです(現状、英語・フランス語・イタリア語に対応しています)。
またAIについては、将来的にカメラに映った物体やテキストの読み取りなどでAIを活用できる機能をアップデートで搭載すると予告しています。
チップセットにはクアルコムのSnapdragon AR1 Gen 1が搭載され、よりAIとスマートグラスで便利に使える日が近づいているのかもしれません。
マルチポイントは非対応、複数機器とのペアリングは可能
また、マルチポイントにもできれば対応してほしかったなぁとも思います。
PC仕事する場合など、スマホに加えてPCでもつないでマルチポイントで使いたい…という用途には適しません。
ただ、スマホ以外のPCでも接続して使うことはできるので、接続しなおせば大丈夫です。
ペアリング自体は記憶してくれます。
休日に出かける場合など、スマホと1対1で使う場合には非常に快適に使用できます。
私生活メインで利用したい人はRay-Ban Metaスマートグラス、仕事でも使いたい方はHUAWEI Eyewear 2を使うと便利かも。
一度の充電での電池持ちもHUAWEI Eyewear 2のほうが長いので、私は両方を併用して使っています。
日本で「Ray-Ban Metaスマートグラス」を使うには?
Ray-Ban Metaスマートグラスは、本稿執筆時点では日本で発売されていません。
アメリカ・イギリス・カナダのみで発売され、日本から入手するにはアメリカなどから輸入する必要があります。
スマホと連携してフル機能を利用するには「Meta Viewアプリ」が必要
スマホと連携して、フル機能を利用するには「Meta Viewアプリ」が必要です。
ただし、Android・iPhoneともに、「Meta Viewアプリ」は日本のアカウントではインストールできません。
国・地域を変更するか、何らかの形でサイドローディングのapkを入手し、インストールする必要があります。
※Google Playストア等の公式ページからは現時点で提供されていません。
インストール・利用は、自己責任でお願いいたします。
※Ray-Ban Metaスマートグラス自体も、技適未取得となります。くれぐれも自己責任でご利用ください。(総務省の技適未取得機器を用いた実験等の特例制度を利用して検証しています)
度入りレンズへの交換は、(純正でなくてもよければ)日本国内でも可能
私はメガネを使っていますので、Ray-Ban Metaスマートグラスにも度入りレンズを使いたい、と思いながら帰国しました。
渡米して購入する方は、アメリカではLensCraftersの認定店舗で淹れることでメーカー保証の対象となります。
Ray-Ban純正レンズ(Ray-Banのロゴつきの度入りレンズ)を入れる場合、少なくとも日本ではフレームと一緒に度入りレンズを購入する必要があります。
私MATTUの場合は、すでにRay-Ban Metaスマートグラスの本体のみ手元にある状態なので、純正レンズは入れられない状態です。
日本国内では、フレームを持ち込むとレンズを入れてくれるお店がいろいろあります。
メーカー保証の対象外にはなりますが、入れてもらうと使い勝手がよくなります。
左目の目元に電源スイッチがありますので、スイッチをOFFにするといいでしょう。
また、フレーム内に電子部品が入っていることを伝えましょう(レンズ洗浄器に入れて洗うことはできません)
音質の良さと、カメラ体験が非常に新鮮な「Ray-Ban Metaスマートグラス」
今回、Ray-Ban MetaスマートグラスをSnapdragon Summitにてご提供いただき、実際に日本国内で度入りレンズをいれて使ってみました。
Ray-Banならではのインパクトはありますが、非常に使い心地はよく、特にスピーカー音質・マイク音質の良さは非常に気に入っています。
また、内蔵されているカメラを使うと、VR体験に近い新鮮さを楽しめます。
さらなるAI機能の進化も予告されていますし、非常に楽しみです。
現状、日本では入手しにくいですが、非常にいい体験になります。
ぜひ機会があれば、使ってみていただきたいです!