こんにちは、MATTU(@sunmattu)です。
Snapdragon X Eliteが搭載された、Surface Pro(第11世代)が発売されて半年がたちました。
筆者も発売日に購入し半年使ってきています。
ARMベースのSnapdragon Xシリーズをメインに据えたことは、今年のMicrosoft Surfaceの大きな転換点だと思います。
軽くて持ち運びも便利、立ち上がりからかなりスムーズに動作することも含めて非常に使いやすさを感じます。
電池持ちが非常に良好で、特にスリープ時にほとんどバッテリーを消費しないことはSnapdragon X Elite搭載のたまものではないでしょうか。
今回は、Surface Pro (第11世代)を半年使って感じたポイントをまとめるとともに、半年でいろいろな新機能が追加されてパワーアップしています。
Surface Pro (第11世代)で使える新機能、AndroidスマホとWindowsを組み合わせて使える「スマートフォン連携」の新機能を紹介していきます。
Androidユーザーは必見です!!
Surface Pro (第11世代)を半年使って感じた、使い勝手の良さ
Surface Pro (第11世代)は、2024年6月18日に発売されたSnapdragon X Elite・Snapdragon X Plus搭載の2in1ノートPCです。
Snapdragon X Elite搭載PCは2024年6月18日に一斉発売され、筆者はSurface Pro (第11世代)を購入して半年使っています。
同じSnapdragon X Elite搭載のASUS Vivobook S 15 S5507QAについても別記事・別動画にてレビューしています。
Surface Pro (第11世代)を半年使って感じたポイントを解説していきます。
軽くて取り回しがいい!キーボードはワイヤレスでも利用可能
Surface Pro (第11世代)は、キーボード別売のタブレット型PCです。
本体が非常に軽くて便利で、本体のみだと895g、キーボードも含めても1385g程度と比較的軽めの部類です。
Surface Pro Flexキーボードは、今回バッテリーが内蔵され、本体と分離した状態でもワイヤレスで利用することができるのがめちゃくちゃ便利。
例えば、リビングでソファーテーブルに置いたり、テレビにPCをHDMI接続し、ソファーに腰かけてまったり膝の上で作業する、なんてこともできます。
コンパクトでカバンの中でもかさばらず、画面はタッチ操作・Surface Penによるペン入力にも対応しています。
操作の自由度が高いのも特徴的です。
外出でも安心のバッテリー持ち!スリープでの電池消耗が少ない!
上の画像のバッテリー使用状況は、直近1週間のものを示しています。
自宅では別の母艦デスクトップPC(Windows)を利用しているため、Surface Pro 11は外出用のPCとして使っています。
印象としては、特にスリープ時のバッテリー消費量がかなり少なく、帰宅後1日カバンの中に突っ込んだままでも全然減っていません。
作業していると少し減る印象でもありますが、外出メインで使う場合には結構便利に思います。
立ち上がりから動作が快適!サクサク動作!
Surface Pro (第11世代)は、非常にサクサク動作できているのが特徴的です。
他社のWindows PCは、そこそこスペックが高い物でも、例えばPCの起動時に少し挙動が不安定になったりすることもしばしばあります。
Surface Pro (第11世代)は、起動時・スリープからの復帰時などの立ち上がりも非常に安定していて、かなり便利に使えています。
ベンチマーク等に関しては、発売開始時のレビュー記事でのデータとほぼ同等の値を現在も計測できています。
動画編集アプリDavinci Resolveは、Snapdragon X Eliteに最適化されたARMネイティブ版を出していて、快適に編集できます。
書き出しに関しては、Full HD(1080p)であれば快適、4Kだとあとちょっとほしいかな、と思うこともありますが、おおむね快適です。
Snapdragon X Eliteで活かせる、オンデバイスAI機能の数々
Surface Pro (第11世代)は、Snapdragon X Eliteが搭載されています。
外部と通信せずにデバイス内で処理できる「オンデバイスAI」での機能を最適化しているSnapdragon X Eliteでは、快適にAI機能を利用出来ます。
本記事執筆時点でのAI機能は、発売開始時と同等のものが利用できます。
その中でも、カメラの「スタジオエフェクト」は、現在AI系の機能として最も使っている機能です。
ウェブ会議などで使える「スタジオエフェクト」は、カメラソースをAIで修正して各アプリに渡すため、純正のカメラアプリだけでなくTeams・Zoom・LINEなど、多くのビデオ通話アプリで利用できます。
カメラ内の自分の動きに合わせて画角を自動調整し、拡大して寄ってくれる「自動フレーム化」や、背景をぼかす機能も搭載されています。
個人的に最もうれしいのは、「アイコンタクト:テプロンプター」という機能です。
画面内のカメラではない場所に目線を映していても、AIが目線を修正し常にアイコンタクトを維持し続けてくれます。
画面内に別の情報を表示していてそれを読んだり見たりしている場合にも、自然に目線をカメラのほうに修正してくれるため、ビデオ通話アプリでは非常に役立ちます。
妻にも試させたら、非常に気に入ってくれました。
待望の新機能「リコール」など、アップデートされる新機能!
Surface Pro (第11世代)などSnapdragon X Elite搭載のCopilot+ PCでは、続々とAI新機能が搭載されます。
いち早く新機能を使いたい方は、Windows Insider Programを
「設定」アプリのWindows Updateに、「Windows Insider Program」という項目があります。
まだ正式版として盛り込まれていないものの、開発版としていち早く機能を使えるプログラムです。
今回は、執筆段階で「Devチャネル」に搭載されている機能をご紹介します。
後日、正式版として一般公開される予定ですが、一般公開時に仕様が変更される可能性はあります。ご注意ください。
また、Windows Insider Program自体は個人アカウントであればだれでも使えます。
適用させる際には、予めデータのバックアップをおすすめします。
注目の新機能「リコール」!
リコール機能は、PC使用時のスクリーンショットを逐次保存し、何に使っていたか振り返ることができる機能です。
たとえば、上記の場合、アクセスしているウェブサイトを再度開くこともできますし、このスクリーンショットのまま画像内の文字をコピーペーストや、ウェブ検索も可能です。
テキストだけでなく画像内の文字も認識してくれるので、検索できます。
また、スクリーンショットの下にあるボタンはアプリを認識しています。ブラウザであれば該当のページを、それ以外のアプリも使っていたアプリを開くことが出来ます。
画像を右クリックすると、画像検索や背景ぼかし・オブジェクト消去・背景削除などもできます。
2つ以上のアプリを開いている場合には、一番手前で表示しているアクティブなアプリがしたボタンに表示されます。
画面拡張している場合は、同時に2画面をスクショするのではなく、アクティブに使っている1画面が保存されます。
画面上のテキストボックスでは、今までリコールで保存したデータを横断検索できます。
アプリも横断できるため、Edgeのみに絞る、とか、Webサイトも含めて横断検索するとか、そのように使い分けることもできます。
リコール機能はプライバシーもある程度確保されている印象です。
設定では、スナップショットを保存するか、ストレージ等の容量やフィルターの設定が可能です。
個人情報などのセンシティブな情報や、アプリ・ウェブサイトのフィルターを付けられます。
例えば、ブラウザのプライベートウィンドウは、Recall機能では保存されません。
また、例えばWordをフィルタ対象に追加している場合、Wordアプリを左・Excelアプリを右に分割して表示しても、Wordアプリはなかったものとして扱われています。
「あの時見たサイト、どこだっけ?」「あの時やった設定、なんだったっけ?」というような場合にも非常に便利な機能です。
「かこって検索」のように画面内の画像を文字認識・検索できる「Click To Do」
画像内の文字を検索したい場合などに役立つのが、「Click To Do」という機能です。
「Click To Do」は、Windowsキーを押しながらマウスをクリックすると、リコール機能のように画面内の文字を認識して検索・コピペ出来たり、画像の検索・修正などが可能です。
画像内に文字が含まれている場合などにも、上記のように文字認識して検索することもできます。
画面上の画像から、背景をぼかしたり、背景の消去・置き換えなどの編集もできます。
リコール機能のアプリへ行くことなく、Windowsキーを押しながらマウスクリックという簡単な操作で検索など行えるので、かなり便利ですね。
印象としては、Androidの「かこって検索」に似ているのですが、よりPCに最適化して文字のコピーペースト・検索等はやりやすくなっている印象です。
逆に、翻訳などの機能があるといいな、とも思います(ブラウザでは翻訳の機能は一応あるのですが)。
フォトの「超解像化」、ペイントの「生成消去」も!
その他、フォトアプリでは荒い解像度の画像をくっきりさせる「超解像化」の機能がついています。
荒い解像度に特有の模様などがなくなり、きれいな見栄えになります。
ペイントでも生成AI機能が使えますが、映りこんだ被写体を消す場合には「生成消去」という機能も使えます。
消したい被写体をたどって「適用」を押すと、消すことができます。
この機能、一応フォトアプリにも存在しております。
音声にリアルタイムで字幕を載せられる「ライブキャプション」
音声にリアルタイムで字幕を載せられる「ライブキャプション」の機能は、Insider Previewでなくても利用出来ます。
日本語の動画を日本語の字幕で見る場合には、このまま使うことができます。
英語の動画を日本語の字幕に翻訳したい場合は、今後アップデートで提供される予定です。
Androidユーザー必見!「スマートフォン連携」がさらに進化!
AndroidとWindowsを組み合わせて使っている方、「スマートフォン連携」を使っていますか?
この「スマートフォン連携」が、さらに進化しているのです。
「スマートフォン連携」で、写真や通話・メッセージの送受信も、アプリの操作も!
スマートフォン連携では、Windows PCとAndroidスマートフォンを連携し、写真の閲覧や通話・メッセージの送受信が可能です。
Galaxy各機種やASUS(Zenfone 11 Ultra・ROG Phone 8)など一部のスマートフォンでは、スマートフォンのアプリをPCでそのまま開いて操作することができます。
基本的にはスマホの縦画面の大きさで使うのがベースではありますが、Galaxy Z Fold6では開いたときの縦画面とおなじ正方形に近い横幅の広い画面で使うことができます。
文字変換についてはスマホ側のIMEを使うので、完全にPCとして使う感じではないのですが、結構便利に使えます。
メッセージなどもPCのキーボードで打ち返せますし、通知も確認できるので、PCに集中したい(スマホが鳴ったらスマホを確認する、みたいなことをしたくない、PCだけを見ていたい)方にはおススメ!
スタートメニューに、「スマートフォン連携」のウィジェットが追加!
Windows Insider ProgramのDeVチャネルを適用すると、「スマートフォン連携」のウィジェットが追加されました!
PC内のアプリの隣に、接続しているスマートフォンの接続画面と「メッセージ」「通話」「フォト」の欄が追加されています。
スマホ内の写真をいち早く確認したい場合に、スタートメニューから簡単にアクセスできるのは便利ですね!
個人的には、スマホアプリをPC上で使う「アプリ」の機能もよく使うので、「アプリ」のボタンやよく使うアプリを表示できるようにしてくれたらなおうれしいなと思います。
設定内の「スタートメニューの個人用設定」から、このメニューのON/OFFも可能です。
「モバイルデバイス」をワイヤレスでエクスプローラーに表示!ファイルのやり取りもワイヤレスで!
なんと、スマートフォン連携などで接続しているAndroidスマホを、エクスプローラーでワイヤレスで操作できるようになりました!
左下「PC」の上にモバイルデバイスが表示され、そこをクリックするとAndroidスマートフォンの中のストレージを操作できます。
モバイルデバイスからWindows PCに、ワイヤレスでファイルを移すことができます。
AndroidスマホとWindows PCは同じWi-Fiになくても、Android側の「モバイルデータを使用する」にチェックをしておけば簡単にデータ共有できます。
エクスプローラーに表示できるモバイルデバイスは、現時点では1台のみですが、メインのスマホを表示できるようにしておけばスマホとPCのファイルのやり取りが非常に簡単になります。
表示されていない方は、「設定」>「Bluetoothとデバイス」>「モバイルデバイス」から確認してみてください!(Windows Updateで最新版になっているかの確認もお忘れなく)
※モバイルデバイスのエクスプローラ表示・操作機能は、Insider Previewである必要はありません。通常版で利用できます。
使い勝手がめっちゃいい!今後も期待のSurface Pro(第11世代)
今回は、Surface Pro (第11世代)を半年使って感じたポイントをご紹介しました。
軽くて取り回しもよく、ワイヤレスでも使えるSurface Pro Flexキーボードの操作感も相まって非常に快適に使えます。
バッテリー持ちと快適動作が両立しているのも非常にGoodです。
そして、今回はMicrosoftから今後提供される予定のAI機能を中心にご紹介しました。
これだけではなく、今後サードパーティでもいろいろなAI機能がリリースされ、Windowsで利用できること。
Snapdragon X Eliteなどのおかげで、オンデバイスで、デバイス内で完結できるAIとしてもサクサク快適に使えるということ。
それによって、これら便利な「AI」があらゆる場面で活躍する、そんな「すぐ先の未来」を迎えるのにふさわしいPCが、このSurface Proだ、ということなんですよね。
2024年は、いよいよユーザー・利用者の身近なところに「AI」がやってくる年だ!と、2024年の始まりから、もっと言えば2023年のSnapdragon Summitで発表を間近に触れたときから感じていましたが、今年1年のスマホ・パソコン業界で様々なデバイスに触れ、使い、レビューもしたりして、それを身をもって感じます。
新しい「AI」を活かせるパソコンやスマホをいよいよ手にできたのがこの2024年。
それらを活かせる来年2025年が非常に楽しみに感じます。
未来はもうすぐそこまで来ています。
ぜひ、Surface Pro (第11世代)を使って、未来に一緒に行きましょう!
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