こんにちは、MATTU(@sunmattu)です。
香り深く、味わい高いコーヒー。
何気なく味わっている方もいれば、こだわりを持って楽しんで飲んでいる方も多いのではないでしょうか。
コーヒーの名産地としては、中南米のジャマイカ、グアテマラやブラジル、アフリカのエチオピア・ケニア・タンザニアなどがありますが、日本からもなじみ深いハワイの「コナ」でも、最高品質のコーヒーをこだわって生産されています。
ハワイの中でも、ハワイ島西部に広がる「コナ地区」でしか育たない希少なコナコーヒー。
その魅惑的な一杯がどのように生まれるのか、UCCの直営農園を取材させていただき、栽培から焙煎までの全工程を体験してきました。
取材協力:UCCハワイ農園
ハワイの名産「コナコーヒー」の真実!
世界にはコーヒーの名産地がいくつかありますが、日本人にとってもなじみ深いアメリカ・ハワイにも「コナ」という地域にコーヒー農園が密集しています。
▼コーヒー農園見学の様子は、動画でも詳しく紹介しています
「コナコーヒー」は、非常に限られたエリアでしか栽培できない
日本から、コーヒーの名産地は遠いところが多いですが、ハワイ・コナは意外と行きやすい場所にあります。
日本の空港からは、ハワイ島のコナ空港には直行便は出ておりません。
まずは、羽田・成田空港からホノルルを目指します。私は、今回成田空港からANAのフライングホヌ―で向かいました。

ホノルルにて、ハワイアン航空の国内線へトランジットし、ホノルルから40分程度飛びます。
コナのあるハワイ島は、ハワイ諸島の中では最も大きい島で、コナ空港はハワイ島の西側に位置しています。

コナ空港着陸前に見える景色も、コナ空港に降り立ってからも、冷えた溶岩が地面を覆いつくしており、ホノルルやマウイとは全く違う景色を味わえます。

個人的にも、2年前にSnapdragon Summitでマウイにも行きましたが、島によってここまで景色が変わるのかと驚きを隠せません。



コナコーヒーに最適な、理想的な環境

コナコーヒーは、ハワイ島西部の「コナ地区」のうち、標高300mから800mの限られたエリアでしか栽培が許されていません。
このエリアは南北に76km程度に広がっており、この狭いエリアに600軒以上の農家がいます。

UCCハワイ農園は標高300mほどの場所にあります。
入り口には売店があり、ここから下り斜面に沿ってコーヒー農園が広がっています。
遠くには海も見えますが、訪問日の数日前からキラウエア火山の噴火がまた始まったとのことで、水平線がおぼろげにかすんでいるのもわかります。

UCCハワイ農園のあるコナコーヒー栽培地域は、朝は日差しが強く気温も上がりやすいですが、午後には必ず雨が降るという、コーヒー栽培に理想的な気候となっています。
私MATTUが訪問した際にも、朝は晴れていましたがあっという間に曇りはじめ、昼前にはぽつぽつと雨が降ってきていました。

甘く繊細なコーヒーの実

コーヒー好きなみなさん!コーヒーの木・コーヒーの実を見たことはありますか?

背丈を少し超えるぐらいのコーヒーの木に、実である「コーヒーチェリー」は赤く熟しています。
収穫されたコーヒーチェリーは、糖度15〜16度と非常に甘く、まるでブドウのような味わいです。
ただし、果肉の部分はかなり薄く、ほとんどはコーヒー豆のもととなる種で占めています。

コーヒーの木1本からは、年間で50杯分程度のコーヒー豆を収穫します。
コナ地区のコーヒー農園では、基本的にはすべて手摘みで収穫します。
収穫は完熟した実だけを一粒ずつ手摘みで行われ、プロでも1日に約15kg弱しか収穫できないほど手間がかかります。
(ブラジルなど、他地区では、洗車機のようなモップが回るような機械で下に落として、ビニールシートみたいなものを下に引いて収穫しますが、実によって熟し方が変わるのが欠点です。コナでは完熟したものを手摘みする手法を取っています)

UCCハワイ農園では、主に、原種に近いティピカ種を栽培しています。
品質が高くクリーンな味わいが特徴ですが、病害虫には弱いという繊細さも持ち合わせています。

2010年にCBBという、コーヒーの天敵の病虫がコナにも入ってきてしまい、コーヒーの実に小さく浸食します。
このコーヒーの実を食い荒らし、そして数百個の卵を産むので爆発的に増えていきます。
この十年ちょっと、コナ地区のコーヒー農園では、このCBBとの戦いだったとのこと。
さび病対策の農薬を使うなど、対策を施しています。
溶岩質だからこその大変さ
農園の土壌は溶岩質で、溶岩の成分自体がコーヒーの生育を助ける側面もあるとのことです。
ただ、根本的にはコーヒーの木が育つためには「土」が最も重要です。
UCCハワイ農園も、表面は土でおおわれていますが、地面を50cmほど掘り進めると、溶岩がたくさん出てきます。
UCCでは重機を使って土中の溶岩を砕き、根が深く張れるように土壌を改良する努力を続けています。

UCCハワイ農園は1989年に設立されましたが、現在でもずっと溶岩を掘り起こしています。
見学に行った際にも、掘り起こした溶岩が山になって摘まれていました。
また、剪定した木やコーヒーチェリーの皮も土壌改良に再利用するなど、サステナブルな農法が実践されています。

オレンジの木や、「日立の樹」(この木なんの木)でもおなじみのモンキーポッドもUCCハワイ農園内に「シェイドツリー」として植えられています。
シェイドツリーはコーヒーの木の日陰になることで、より日向にむかって育ちが早くなります。


収穫から精製、そして焙煎へ

手摘みで収穫されたコーヒーチェリーは、UCC農園にもある「ウェットミル」にて精製されます。
ウェットミルでは、まず水槽で浮いてくる未熟豆や虫食い豆を選別します。
その後、機械で果肉とぬるぬるした粘液質(ミューシレージ)を取り除き、エコーウォッシャーで豆を洗浄します。

洗浄された豆は「干し棚」で天日乾燥されます。
この干し棚は、実は日系移民の知恵から生まれたもので、現地でも英語で「HOSHIDANA」と呼ばれています。

ホシダナに敷き詰められたコーヒー豆は、非常に新鮮な香りがしました。
乾燥後、薄皮に包まれた豆はドライミルで脱穀され、生豆となります。
UCCハワイ農園にはドライミルの設備を持っていないとのことで、他の農園でドライミルの工程を収穫後に行うとのこと。
コナでも、品質の高い広島のサタケ社製のドライミルを使用している農園が多く、高品質な生豆を精製しています。
(広島時代に、サタケさんとラジオやっていたのもあって、非常に驚きました)
UCCハワイ農園では、焙煎体験もできる!
UCCハワイ農園では、農園見学だけでなく、焙煎体験も行えます!

焙煎体験では、生豆を専用の窯に入れ熱し、焙煎によって豆が劇的に変化する様子を五感で感じることができました。

体験スペースには、豆のフェーズの色が記されています。好みのフェーズで止め、ざるにのせかえ下から扇風機を回して冷やします。
最初色づき始めるまでは時間がかかりますが、色づき始めてから焙煎のスピードは一気に上がります。



特に、豆がはぜる「1ハゼ」(パンパン)「2ハゼ」(線香花火のようなチリチリ)の音は、焙煎度合いを見極める重要なサインです。
▼動画の中で音も紹介しています
浅煎りでは酸味が際立ち、深煎りではビターな風味が強くなります。
豆がふくらみ、しわが寄ったり、コーヒー豆の真ん中の白い線が消えたりします。

自分の好みに合わせて焙煎を止め、ザルで急冷する工程は、まさにコーヒー作りの醍醐味でした。


「100% コナコーヒー」が味わえるのは、コナ現地のみ!コナコーヒーの価値と歴史
コナコーヒーは「世界で最も高価なコーヒー」の一つと言われています。
その背景には、ハワイの高い人件費、為替レート、関税、そして世界的な需要の高まりがあります。

特に近年では、物価上昇も相まってハワイも人件費がかなり上昇していること、またトランプ関税の影響もかなり受けているとのこと。
コーヒー自体もかなり世界的に需要が高まっているため、価格が上がってきています。

1900年頃にはコナ地区のコーヒー栽培者の約半数が日系人であり、手摘みなどの忍耐を要する作業は、勤勉な日本人の気質に合っていたと言われています。
ホシダナや手摘みなど、数多くの日系人の努力が、現在のコナコーヒーを作り上げていると言っていいでしょう。

UCCハワイ農園で精算したコーヒー豆は、すべてこのUCCハワイ直営農園の売店での販売のみで消費されます。
日本でUCCが「コナコーヒー」と販売している商品は、周辺の農家から買い付けた生豆を日本で焙煎したものだということです。
また、100%コナコーヒーを味わえるのは、ハワイ・コナの現地のみです!
日本でのコナコーヒーは、基本的にブレンドされて発売されています。

コナコーヒーの一杯には、ハワイの豊かな自然、農園で働く人々の情熱、そして日系移民の歴史が詰まっています。この特別な体験を通じて、コーヒーへの理解と愛情がさらに深まりました。
ちょうど、訪問した11月上旬はコナ地区にて世界的にも大きいコーヒーの祭典「コナコーヒーフェスティバル」が始まる日だったということもあり、コーヒー好きとしては非常にたまらない経験をさせていただきました。
UCCハワイ農園は、コーヒー農園の中では日本からも比較的行きやすいと思います。
農園見学・焙煎体験と、貴重な経験もできますので、ハワイに行くチャンスがあればぜひ足を伸ばしていってみてください!

というわけで、今回はUCCハワイ農園に行った様子をお伝えしてきました。
今回UCCさんに取材させていただいたんですが、そもそも今回なんでハワイに行くことになったのか?という話を、近日また動画でお話しさせていただきたいと思います。
ぜひ、そちらもお楽しみに!




