こんにちは、MATTU(@sunmattu)です。
arrows N F-51Cが2023/2/10よりNTTドコモから発売されています。
SDGsが叫ばれる昨今、サステナビリティを前面に出した、arrowsならではの「こだわり」が結集したスマートフォンになっています。
サステナビリティがテーマですから、資源の循環、再生材料の利用比率をかなり高めるなど、環境負荷に対する徹底的なこだわりを見せています。
しかし、同時に今までのarrowsスマートフォンで魅せてきた、独自の機能もさらに進化。
公式サイトにはこの機能たちの説明があまりないのがもったいないぐらい、特にビジネスシーンで役立つ機能が集約されています。
今回は、体験会でいろいろ触って感じた「独自機能」の良さを、簡単に解説します。
arrows N F-51Cの機能面でのメリットは?ビジネスマンに最適化された機能がたくさん!
arrows N F-51Cは、環境・サステナビリティという観点で強く押されていますが、個人的には機能面でのメリットもかなり注目すべきだと思います。
顔認証・指紋認証を搭載!さらに「アプリダブルロック」で強固にセキュリティーを守る!
今回、生体認証は顔認証と指紋認証が両方載っています。
顔認証は、マスク装着での認証にも対応。
それだけでなく、顔・指紋の両方を組み合わせた「顔と指紋のダブル認証」を利用することができます。
銀行など決済系アプリの本人確認で利用可能。
さらに、「アプリダブルロック」の機能も搭載。
仕事で使う、Outlook(メール)やTeams、Slackなど、他社に盗み見されたくない重要なアプリについては、アプリを開くときに顔認証と指紋認証の両方を認証してから開けます。
設定したいアプリを設定画面から選択すると、アプリ起動時に顔・指紋での両方の認証を要求されます。
これ、かなりセキュリティ高くアプリ内のデータを保護できることになりますよね。
法人契約で会社が貸与するスマホのようなケースでは、かなり最適な気がします。
▼下記生放送中に、実際に設定して使ってみた様子を流しています(再生ボタンでそのシーンから再生されます)
瞬時に着信・通知・アプリを隠せる「プライバシーモード」は、arrows Nでも搭載!
2万円スマホ「arrows We」でスマホとして初搭載されたプライバシーモードは、arrows Nでも搭載されています。
下の図は、arrows Weでのプライバシーモードの設定です。
アプリ・通知・着信を隠す機能があります。
アプリやアプリの通知を隠す場合は、隠すアプリを選択します(すべて選択、も選べます)
着信を隠す場合は、相手の番号を入力します(連絡先から選ぶこともできます)。
プライバシーモードの利用をONにしている状態で、プライバシーモードON/OFFを切り替えるには、スマホの通知ドロワーを出した状態で、左上の時計表示を右にスワイプします。
画面左上の時計表示をスワイプすることで、プライバシーモードに移行。
指定した着信・通知やアプリを非表示にすることも可能です。
電話に出られない場合は、発信先にSMSで通知することもできます(SMS送信料1通3円は別途かかります)
LINEなどSNSでは、特定の相手のみを非表示にすることはできないので、アプリごと非表示にする必要はあるのですが、ビジネスシーンなどでは結構役立つことが多いでしょう。
今回、arrows NではWi-FiやGPSでの位置データをもとに、特定の位置に来たらプライバシーモードを自動ONする機能が備わりました。
会社ではプライバシーモードをONに、帰宅中や家ではOFFにする、というような使い方を、モード切替を意識することなく利用できます。
[2023/2/8更新]初稿時自動ON・自動OFFとなっていましたが、仕様としては自動ONのみとのことです。お詫びして訂正いたします。
arrows Weはさすがにスペック低めだったので購入に躊躇していた、という方にとっては、arrows Nは救世主といえると思います。
ビデオ会議に便利な「オンラインコミュニケーションマネージャー」ランチャー搭載
リモートワークの時など、スマホでビデオ会議に出る場合もあるでしょう。
ビデオ会議中に着信があると困りますよね……。
「オンラインコミュニケーションマネージャー」機能では、ビデオ会議アプリで使える機能を並べたランチャーで、ゲームのランチャーのように配置できます。
ビデオ会議中は着信をミュートにしたり、ビデオ通話中の画面を記録したりと、いろいろな機能をランチャーで切り替えることができます。
文字入力でもさらに優秀に予測変換できるSuper ATOK ULTIAS
他社メーカーではATOKの採用をやめてGboardに移行しているものもいる中、arrowsではATOKの進化版を搭載しています。
ATOKの最新版ではさらに予測精度が向上。
たとえば「鍋を」と変換すると、その次に続く言葉が自然になるような言葉を予測変換に表示してくれます。
予測変換の精度によって、文字を打つスピードは格段に変わりますよね。
迷惑電話対策機能で、敵を威嚇!
arrows Nでも、迷惑電話対策機能が搭載されています。
迷惑電話対策機能では、電話帳に未登録の相手の場合「この通話は迷惑電話対策のために録音されます」のような感じでアナウンスをかけた後に電話がかかります。自動的に録音されるので、何かあったときも聞き流せるのです。
(機能をONにした場合のみ流れます)
なお、arrows Weではあった「特殊詐欺対策機能」は搭載していません。
シニアの方向けに、より防犯に力の入ったケータイが欲しい場合は、arrows Weを検討するのも手です。
カメラセンサーは大型化!より夜景に強く、手振れ補正もしっかりと
arrows Nのカメラセンサーは、同等ランクの先代モデルであるarrows Nよりも1.65倍に大型化されています。
これにより、夜景でも非常にきれいに撮影可能。
arrows Nではスーパーナイトモードが搭載されています。
手振れ補正は、光学式自体は非搭載ですが、電子手振れ補正のみの端末の中ではかなり強力な感じです。
なお、チップセットの関係上、4K動画撮影は非対応で、FHDまでの対応となります。
arrows Nの写真の絵作りは、だいぶビビット感じになっています。
SNSでの映えには最適で、中華スマホのような「お米の写真を撮ると黄色くなる」現象はないように、日本食でもかなりテストを重ねた、と開発者の方はおっしゃっていました。
arrows N F-51Cを長く使うための工夫と、価格との葛藤
arrows N F-51Cは、サステナビリティをコンセプトにしたスマホですので、再生材料を多分に用いた環境循環を主眼に置いたスマホであることは確かです。
さらに、メーカーのFCNTは「4年という長き間使い続けてほしい」という意図が現れているように見えるのです。
横幅72mmの絶妙な持ちやすさ。Made in JAPANならではのこだわり
arrows Nは、横幅72mm、画面サイズ6.24インチの絶妙な持ちやすさを感じます。
大きくなりすぎず、また流行りの角ばったデザインでなく4年後でも使いやすい丸みを帯びたデザインを採用。
環境配慮というコンセプトもこの丸みのデザインに合致しています。
電源ボタンに指紋センサーも載っています。
この指紋センサーの位置は、日本人の手の大きさに合わせ、端末下面から90~100mm程度が最も使いやすい、という調査を経て決まったそうです。
これはMade in JAPANならではだと思います。
サステナビリティを突き詰めるには、海外の工場への委託には限度がある。
Made in JAPANでつくるからこそ、リサイクル素材部品適用率67%と、高い比率を誇れるとのこと。
(ただ、どうしても小ロット生産になってしまうので、価格への反映が若干心配ですが…)
バッテリー寿命を向上!4年間ちゃんと満足して使えるように
arrows Nにはバッテリー寿命を可視化するバッテリーモニター機能があります。
充電回数が増えてくると、電池性能がだんだんと落ちては行きますが、なるべく落とさないよう工夫が凝らされているのです。
4年の利用で(1000回の充電で)80%の電池性能まで伸ばせているとのこと。
通常は2年程度の利用で到達することもしばしば。これが4年も使えるのは便利ですよね。
OSアップデート3回、セキュリティパッチは最長4年提供
アップデートはOSが3回、セキュリティパッチは4年となっています。
Android 12スタートのOSなので、Android 15までは到達できそうです。
iPhoneという例外を除けば、Android陣営では長くアップデートを提供し続けている部類だと思います。
arrows N F-51Cのスペック
長く使い続けられる、多機能で便利なarrows N F-51Cですが、やはりCPUがネックではあると思います。
項目 | arrows N F-51C |
---|---|
サイズ | 155x72x8.6mm、171g |
画面 | 6.24インチ Full HD+/有機EL リフレッシュレート120Hz |
CPU | Snapdragon 695 5G |
メモリ | 8GB |
ストレージ | 128GB (microSDも対応) |
バッテリー容量 | 4600mAh |
カメラ | アウトカメラ 50.3MP/8.1MP インカメラ 12.4MP |
SIM | nano SIM+eSIM |
生体認証 | 指紋認証、顔認証(マスク対応) 指紋・顔のダブルロック設定可能 |
その他 | おサイフケータイ(FeliCa)、防水防塵IP68 FASTフィンガーランチャー、FASTウォレット プライバシーモード 泡ハンドソープ洗浄OK 堅牢・強固な筐体 |
購入は | ドコモオンラインショップ 定価 88,000円※ 2年後返却時の実質負担額 52,888円 |
上記のスペック表で、定価10万円弱といわれて一番ためらうのはSnapdragon 695であると思います。
同じSnapdragon 695搭載端末としては、競合の他社製品と比べ、arrows N F-51Cのみ定価がかなり上がっています。
いつでもカエドキプログラムを利用した2年返却時の実質負担額で言えば、AQUOS sense7やXperia 10 IVとも数千円の差なのでそこまでではないはず。
4年使えるとうたっているものの、いつでもカエドキプログラムを利用して2年後に機種変更するほうがお得に見えてしまいます。
メーカー(FCNT)の意図と、ドコモの思惑に若干ずれを感じてしまうのですよね。
Dual SIMはできるが、「バンド縛り」に気を付けたい
今回のarrows N F-51Cは、ほかの2022年冬―2023年春のドコモモデルと同様に、物理SIM1スロット+eSIMのDual SIM運用が可能です。
ただし、上の表のように、auやソフトバンクのプラチナバンドは対応していません。
今回arrows Nはドコモからでしか発売されないため、仕方ないことではありますが……。
他社SIMとDual SIMで組む場合は、他社SIMのほうのエリアが狭くなる可能性が十分にあります。ご注意ください。
ドコモ+ドコモ(ドコモ系MVNOを含む)のDual SIM運用であれば問題ないと思います。
arrows Nの機能としてはかなりビジネスマンに寄った魅力的な機能が多いですが、このようなバンド縛りを重ね合わせると、法人契約の会社用携帯としての利用を想定しているのかも、と思いました。
(会社支給のスマホがもらえず、会社と個人で回線を分けて使いたい、というユーザーには最適だと思います)
純粋にarrows Nを触ると、完成度は高い。価格とのバランスをどう考えるか
今回、体験会でarrows Nをタッチアンドトライし、いろいろな「こだわり」を感じました。
製品コンセプトである「サステナビリティ」に対するこだわりだけでなく、機能が本当に盛りだくさんで非常に便利な点、また筐体のデザイン・持ち心地など、ユーザビリティに関する「こだわり」をかなり感じられました。
arrows Nの公式サイトやドコモHPでは、環境に関する「こだわり」は表現できるものの、「多機能」の部分があまり表現されてこなかったので、もったいないとは思います。
昨年度発売されたarrows Weがヒットした理由は、個人的には(ちゃんとある程度快適に動作する、という前提を担保しながら)買いやすい価格と、それを上回る充実な多機能性がユーザーのコストパフォーマンスに合致したから、だと思うのです。
arrows Nは、スマホ自体は非常にいいつくりをしているものの、搭載チップセットと価格のバランスが悪く、ほぼその1点で一部のガジェッター(スマホ好きな層)に叩かれている印象を受けます。
実にもったいない。
ドコモが価格を決定した、とのことですから(原価・納入価格等は別にあるでしょうが)、このarrows Nをドコモはどういう風に売っていくのか、注目していきたいところです。
またレビューの機会にじっくり試したいと思います。
▼生放送でも解説しています
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