こんにちは、MATTU(@sunmattu)です。
ドイツ・ベルリンで開催中のIFA2024にて、クアルコムはPC用のSnapdragon Xシリーズに新ラインナップとして「Snapdragon X Plus 8-core」の10コア1モデル・8コア2モデルを発表しました。
Snapdragon X Plus 8コアの発表に合わせて、ASUSは新型デタッチャブル2in1ノートPC「ASUS ProArt PZ13 HT5306QA」を発表しました。
今回発表されたSnapdragon X Plus 8コア X1P-42-100を搭載し、長時間のバッテリー駆動を実現!
タフネスな米国軍事規格のMIL規格に準拠、IP52の防塵防滴性能にも対応し、外出先でも安心して利用できます。
Snapdragon X Plus 8コアの実力や、ASUS ProArt PZ13 HT5306QAの魅力をレビューしていきます。
商品貸出:ASUS JAPAN株式会社
クアルコムから発表された「Snapdragon X Plus 8-core」については、別記事「クアルコム、PC向けSnapdragon Xシリーズに新ラインナップ追加!Snapdragon X Plus 8-coreを発表!電池持ち向上で買いやすく! 」にて詳しく解説しています。
この記事では、ASUS ProArt PZ13 HT5306QAに搭載されているX1P-42-100の実際のベンチマーク・動画編集等の動作性能・電池持ちの実機レビューを中心に解説していきます。
ASUSからは、2in1 PCの「ASUS ProArt PZ13」が発売!先行実機レビュー
ASUSからは、ASUS ProArt PZ13 HT5306QAがSnapdragon X Plus 8-core X1P-42-100を搭載して発売します。
発表前に先行してお借りすることができたので、実機レビューしていきます。
2 in 1 で持ち運びやすい、キーボード・カバー付き!
本体はタブレットのような13.3インチのディスプレイ搭載PCとなっています。
大きさは297.5×202.9×9.0mmと、本体単体ではSurface Pro(第11世代)の大きさとほぼ同等(縦横の大きさに少し差はあります)。
背面には「Snapdragon X Plus」のシールなどがついている他、リアカメラも搭載されています。
ASUS ProArtのロゴが輝いているのが印象的です。
また、上記の写真左上側には、通気口の小窓があります。側面にもスリッドがあり、効率的にチップセットを冷却できます。
ASUS ProArt PZ13には、背面カバー、画面側キーボードカバーが両方付属しています。
別途購入の必要なく、装着して使うことが可能です。
背面カバーのほうはスタンドにもなりますので、テーブル・デスクなどで仕事をする際にも非常に便利です。
カバーのほうにペン収納のわっかもついています。ASUS Pen 2.0を挿して持ち運べます。
キーボードカバーも、日本国内では日本語配列のキーボードとなります。
キーボードの打ち心地は、他のASUSのノートPCと同じでストローク浅めではありますが打ちやすいです。
Enterキー周りは少し密集気味(¥マークのキーが小さい)などの若干特殊なところはありますが、慣れれば使いやすいと思います。
厚さは、PC本体のみでは9.0mmと薄いですが、キーボード・カバーをつけると17.6mmとなります。
13.3インチ 16:10の有機ELディスプレイがきれい!使いやすい!
ASUS ProArt PZ13 HT5306には、13.3インチの3K有機ELディスプレイが搭載されています。
タッチパネル対応、ASUS Pen 2.0などでのペン入力にも対応したディスプレイは、非常に発色がよく美しいです。
また、ASUS製PCの多くが対応している16:10のアスペクト比に対応。
Snapdragon X Eliteとして初のASUS製PCとして登場したVivobook S 15 S5507QAは、16:9のアスペクト比で、16:10に慣れている身からすると少し使いにくい印象を受けていました。
縦の幅が16:9よりも広いと、やはり作業する際には使いやすいです。
タフネスで安心!MIL規格準拠、防塵防滴のIP52にも対応
ASUS Pro Art PZ13 HT5306QAは、堅牢性にもこだわられています。
米国国防総省が定めるMIL規格「MIL-STD-810H」に準拠したテストをクリアしており、外でも安心して使用できます。
また、防水防塵のIP52にも対応!
外出先で手軽に使いたい方には非常におススメです。
Snapdragon X Plus X1P-42-100搭載!省電力でサクサク動く!こだわりの冷却性能も
ASUS Pro Art PZ13 HT5306QAは、新登場したSnapdragon X Plus X1P-42-100 (8コア) を搭載しています。
Snapdragon X Plusは、サクサク動作できる快適性とともに、バッテリー消費がかなり少ない省電力性が魅力です。
動作性能・省電力性は、ベンチマークテスト等でもテストしていますので、あとの章でもご紹介します。
ASUSとしては安心と信頼の冷却技術ですが、ASUS ProArt PZ13 HT5306QAにもちゃんと搭載されています。
側面と背面に通気口が設けられており、軽負荷でも「0dBテクノロジー」との組み合わせにより静かに動作します。
高負荷時でも、確かにファンが回っている音はしますが比較的静かで、 パワフルでもあります。
また、Snapdragon X Plusは、オンデバイス(機器内のみ)で動作するAI性能も魅力です。
執筆時点ではSnapdragon Xシリーズ搭載Windows PCが唯一の「Copilot+ PC」でもありますので、WindowsがサポートしているAI機能が利用できます。
ウェブカメラのテプロンプターや、ペイントのAI生成コクリエイターなどの機能が使えます。
ASUS独自のAIアプリも利用可能です。
レビュー動画内では、カメラでのテプロンプターなどのAIを利用したエフェクトなどご紹介しています。
USB Type-Cポートx2搭載!なんとSDカードスロットも!
ASUSのパソコンはポートが充実しているというのも特徴の一つです。
ASUS ProArt PZ13 HT5306QAは、USBポートが2つに加えてSDカードリーダーがついています。
USB4のうち一つは露出していますが、もう一つはSDカードリーダーとともにキャップでおおわれており、必要な時に出す形です。
付属品には65WのACアダプタ、ASUS Pen 2.0、microSDアダプターがついており、microSDの方も安心してアダプターでSDカードに変換してデータの出し入れが可能です。
上部には電源ボタン、右側面に音量上下ボタンがついています。
また、端末背面にはオートフォーカス対応の1,324万画素アウトカメラが、画面側には491万画素のインカメラもついています。
インカメラは、Windows Helloでの顔認証にも対応しています。
ASUS ProArt PZ13 HT5306QAのスペックまとめ
項目 | ASUS ProArt PZ13 HT5306 |
---|---|
大きさ | 297.5×202.9×9.0mm(キーボード・カバー付きで297.5×211.15×17.6mm), 850g(キーボード・カバー付きで1,489g) |
画面 | 13.3インチ OLED(有機EL) 2880×1800 60Hzリフレッシュレート |
SoC | Qualcomm Snapdragon X Plus 8 core X1P-42-100 |
メモリ | 16GB LPDDR5X-8448 |
ストレージ | 1TB |
グラフィック | SoC内蔵(Adreno GPU) |
NPU | SoC内蔵(Qualcomm Hexagon NPU 45TOPS) |
バッテリー容量 | 70WH |
カメラ | インカメラ 491万画素赤外線カメラ内蔵 Windows Hello 顔認証対応 アウトカメラ 1324万画素Webカメラ(オートフォーカス対応) |
オーディオ | ステレオスピーカー内蔵(1Wx2)・アレイマイク内蔵 |
ペン対応 | ASUS Pen 2.0 付属 |
通信 | Wi-Fi 7対応 Bluetooth 5.3 |
ポート | USB Type-C (USB4) x2 microSDXCカードリーダーx1 |
価格 | 249,800円(税込) |
Snapdragon X Plus 8-core X1P-42-100の実力は?ベンチマークテストや電池持ちを比較!
新しく登場したSnapdragon X Plus 8コアは、どのような人におすすめでしょうか?
ベンチマークテストや電池持ちテストを行い、比較していきます。
ベンチマークテストについては、65W電源に接続し、ファンモードは「パフォーマンスモード」、電源は「最も高いパフォーマンス」にてテストしています。
CPU性能:CineBench 2024 / CineBench R23
まずは、CPU性能を測定していきます。
【ARMネイティブ】CineBench 2024
まずは、ARMネイティブの環境で測定できるCineBench 2024の結果をご紹介しましょう。
Multi Coreが609、Single Coreが107となりました。
高性能モデルであるSnapdragon X Elite搭載のSurface Pro(第11世代)やVivobook S 15 S5507QAと比べると、スコアは抑え目の数値となっています。
(消費電力が近いのはSurface Pro(第11世代)のため、Surface Proと比較したほうがいいのかもしれません)
Snapdragon X Plusは、Snapdragon X Eliteと比べればパフォーマンスを少し抑える代わりにバッテリー持ちを伸ばすのが特徴でもあります。
2年前のHプロセッサー搭載のSurface Laptop Studioよりもスコアは出ていますし、省電力モデルのCore i7-1250Uの2.5倍程度のスコアを出せています。
実際に、PowerPointやExcelでの編集作業も行っていますが、非常に快適に作業できます。
Snapdragon X PlusのCPUパフォーマンスとしては、かなり高いといえそうです。
【エミュレーション】CineBench R23
CineBench R23では、ARMネイティブではなくエミュレーションでの動作となります。
ASUS ProArt PZ13 HT5306QAでは、Multi Core 6453、Single Core 1118となります。
これも、Snapdragon X Eliteや今年レビューした高性能PCと比べれば、スコアは少しおさえめです。
Webブラウジング・Office文章作成・動画編集などメインストリーム向けPCとしては、昨年レビューしたASUS Zenbook S 13 OLEDは、省電力型の高性能Intel Core i7-1355Uを搭載していますが、Snapdragon X Eliteのほうがエミュレーションとはいえ上回った数値を出しています。
従来型のx86系アプリも、比較的快適に動きそうです。
GPU性能を、GeekBench 6・3DMarkで検証!
それでは、GPU性能を比較していきます。
GeekBench 6
GeekBench 6での検証結果を示します。GeekBench 6はARMでもネイティブで動作します。
ASUS ProArt PZ13 HT5306QAのCPUはSingle 2287、Multi 11063、GPUは9977でした。
CPUの性能はCineBenchとだいたい同じ。
Snapdragon X Eliteほどではないですが、高いパフォーマンスを発揮しています。
ASUS ProArt PZ13 HT5306QAのGPUのスコアは9977でした(OpenCL)。Valcunでは11970でした。
Snapdragon X Plus 8-core X1P-42-100のAdreno GPUは1.7TFlopsとなり、Snapdragon X EliteやSnapdragon X Plus 10-core X1P-64-100の3.8TFlopsよりも性能が低くなっています。
Core i7-1250UのThinkPad X1 Fold 16よりもSnapdragon X Eliteは少し低めの数値となっており、GPU性能は控えめな印象です。
3DMark Night Raid
3DMarkのNight Raidでもネイティブで動作します。
Night Raidのスコアは、Snapdragon X Plus X1P-42-100の搭載されているASUS ProArt PZ13 HT5306QAでは16031でした。
Snapdragon X Elite搭載のASUS Vivobook S 15 S5507QAは26449、AMD Ryzen AI 9 HX370搭載のASUS Vivobook A 14 M5406WAは33461、Intel Core Ultra 9 185H搭載のASUS Zenbook DUO UX8406MAは27014でした。
ゲームによってもパフォーマンスが変わるとは思いますが、グラフィック性能を求める方には上位機種をおすすめします。
ちなみに、エミュレーションでは…
エミュレーションで動いているFFXVのベンチマークソフトでは、軽量品質でも1892と、結構厳しい結果となりました。
(Snapdragon X Elite搭載のVivobook S 15 M5507QAは、同じエミュレーション環境で軽量品質:5349(快適)、標準品質:4453(普通)となりました)
動画編集は使える?Davinci ResolveやCapCut、Adobe Premiere Proの動作結果
ASUS ProArt PZ13は、クリエイター向けのPCでもあるので動画編集に使いたい、というユーザーも多いと思います。
動画編集ソフトで使えるか、検証してみます。
Davinci Resolveで使う
Davinci Resolve 19は、Snapdragon X Eliteに最適化するARMネイティブ版をリリースしています。
今回のSnapdragon X Plus 8-coreでも、利用することができます。
▼動画編集の様子は、動画でも使っております
ARMネイティブのため、サクサク動画編集をこなすことができます。
また、Snapdragon XシリーズのNPUを使った、Magic Maskなどの機能も使えます(機能自体は他チップのデバイスでも使えますが、他社ではGPUで動作します)。
Davinci Resolveでの動画書き出し速度は、以下の通りです。
いつもの通り、19分12秒の4K動画を書き出して結果を見てみます。
Snapdragon X EliteでのVivobook S 15 S5507QAのレビューの際はDavinci Resolve Studio 19はプレビュー版で、エンコーダーを選択できました。
今回テストした際には正式版になったDavinci Resolve Studio 19を用いると、エンコーダーは選択できなくなっていました(Apple Silicon Mac版と同様、デフォルトでハードウェアアクセラレーターが利用できると推測します)
結果としては、有償版・無償版ともに46分程度となりました。
Snapdragon X Elite搭載のSurface Pro 11は24分で書き出せていたため、約半分程度の速度となりました。
書き出し時間としては有償版・無償版で差がないのはSnapdragon X Eliteと同様ですが、ハードウェアアクセラレータを使っても少し遅めではあります。
今回は4Kを使った書き出しを行いましたが、フルHD画質での書き出しがメインの方だとこれぐらいでも十分かもしれません。
CapCut : 不安定
その他の動画編集ソフトも簡単に確認してみました。
CapCutは、ASUS純正のツールでもあるProArt Creator Hubの推奨動画編集アプリでもあったため、試してみました。
使ってみようとはしているのですが、不安定で、作業をしようとすると頻繁にアプリが落ちます。
システム側か、アプリ側のチューニングが必要そうですが、今後の安定化に期待したいところです。
Adobe Premiere Pro : 現状はx86アプリ、今後ARMネイティブリリース予定
Premiere Proを利用している方も多いと思います。
現状、Premiere Proは現状ARM版自体はリリースされておらず、バージョン23.0のx86版アプリをインストールすることができます。
現状はエミュレーションのため、動作・書き出し速度は少し遅めな印象はあります。
書き出し時間は、先ほどのDavinci Resolveの時と同じ19分12秒の4K動画を書き出したところ、69分かかりました。
(Snapdragon X Elite搭載のSurface Pro(第11世代)は54分、Intel Core Ultra 9 185H搭載のZenbook DUO UX8406MAは28分で書き出しが終わりました)
まずは、ARMネイティブのPremiere Proが出るのを楽しみにしておきたいですね!
Photoshopは、すでにARM版がリリースされています。
IllustratorはARM版がなくリリース予定ですが、執筆時点ではx86系のエミュレーションも現時点で利用できない状態です。
Snapdragon X Plus X1P-42-100の省電力性能は?バッテリー消費量を比較テスト!電池持ちはなかなかすごい!
Snapdragon X Elite X1E-80-100搭載のSurface Pro(第11世代)と、Snapdragon X Plus X1P-42-100搭載のASUS ProArt PZ13で電池持ちを比較してみました。
通常利用時のバッテリーテスト【ブラウジング・動画視聴】
ヘビーな利用でない場合のバッテリーテストも行ってみました。
Snapdragon X Plus 8-core X1P-42-100を搭載しているASUS ProArt PZ13のほうが、画面ON・作業時のバッテリー消費量が1時間当たり8%程度と、低く収まっていることがわかります。
Snapdragon X Eliteでの検証時とは大きく変わらず、ブラウザでYouTube動画視聴している状態、Office系アプリで比較的軽量な作業をしているときでは、あまり電池の減りが変わらないです。
後述のようにゲーム・動画書き出しなどのヘビーな作業をしていると減りが速くなりますが、そうでなければバッテリー消費量は大きく変わりません。
一方で、画面をOFFにしている場合については、Snapdragon X Eliteの時と比べると少しバッテリー消費量が多く、1時間に1~2%程度の消費量になっています。
上のグラフでは22時~10時の夜間についてはスイッチボタンを押してスタンバイの状況にしており、その結果夜間での消費量は4%程度とほとんど減少していないのがわかります(バッテリー残量30%以下のため、省エネモードになっているのも一因となっているかもしれません)。
画面ONの時も、Snapdragon X Eliteだと1時間に6%程度、Snapdragon X Plusは1時間に7%程度とほぼ同等ですが、若干Plusのほうが減っている印象。
スタンバイ時のバッテリー消費は全体的にSnapdragon X Eliteのほうが消費していない印象はありますが、画面ONや作業しているシーンなどは全体的にSnapdragon X Plus X1P-42-100の搭載しているASUS ProArt PZ13のほうがバッテリー持ちは良さそうです。
高負荷時のバッテリーテスト【ゲームグラフィックテスト】
まずは高負荷時のバッテリーテストを試しています。
3DMarkの「Night Raid Stress Test」を、充電がなくなるまでひたすら繰り返してみました。
Night Raid Stress Testは、本来はNight Raidのグラフィックテスト1(1回につき1分)を20回繰り返し、FPSの揺らぎを確認できます。
このバッテリーテストでは、Stress Test1回につき20分間まわるので、これを繰り返し回し続けてバッテリーのヘリを確認します。
グラフの縦軸はバッテリー残量、横軸は経過時間です。
オレンジ色の部分はStressTestを回している時間です(白部分は画面OFFになっており、ほとんど電池消費されていません)
Snapdragon X Elite搭載のSurface Pro 11のほうは3回終了時(高負荷1時間)で残り58%、8回終了時(高負荷2.7時間)で残り5%となっています。
それに対し、Snapdragon X Plus 8-core搭載のASUS ProArt PZ13のほうは、3回終了時で残り80%、8回終了時で残り45%と、バッテリーテストとしては2倍弱程度の電池持ちを実現しています。
ASUS ProArtのほうは、その後のバッテリーテスト後も、15回完走し(高負荷時間は合計5時間程度)残り6%です。
高負荷の持続時間も、Surface Pro 11に対し約2倍と脅威的な数字を誇りました。
ただし、ベンチマークスコア自体はSurface Pro 11は26000、ProArt PZ13は16000と、パフォーマンス自体は異なっている点には注意してください。
高パフォーマンスを要するゲーム・ソフトを使う方よりは、Office系アプリやブラウザなど、そこそこのソフトを長時間使いたい、というニーズに合うと思います。
動画書き出しでのテスト
続いては、Davinci Resolveの動画書き出しをテストしてみます。
Davinci Resolveにて、19分12秒の4K動画をフル充電状態から書き出して、バッテリー残量を比較します。
動画書き出しを回し続けた場合のバッテリー残量を比較すると、時間当たりでは2倍以上の差があるのがわかります。
ただし、パフォーマンスはSnapdragon X Elite搭載のSurface Pro(第11世代)のほうが高いです。
19分12秒の4K動画1回の書き出しにつき、Surface Pro(第11世代)は23分程度、ASUS ProArt PZ13は46分程度かかります。
1回の書き出し終了後のバッテリー残量は、Snapdragon X Elite(Surface Pro 11)は82%、Snapdragon X Plus(ASUS ProArt PZ13)は85%と、仕事当たりのバッテリー消費量はほぼ同等です。
ASUS ProArt PZ13のほうが書き出し時間が長いため、画面点灯によるバッテリー消費量が多いことを考えると、ASUS ProArt PZ13のほうが若干良い、と言えるのかもしれません。
Snapdragon X Plus X1P-42-100を搭載した、ASUS ProArt PZ13 HT5306QAはどんな人におすすめ?
今回は、Snapdragon X Plus X1P-42-100を搭載した、ASUS ProArt PZ13 HT5306QAをレビューしました。
個人的には、2 in 1のデタッチャブルスタイルがSnapdragon X Elite/Plusを最も活かせるデザインだと思っており、ASUSからもタッチ対応・ペン対応でSnapdragon X シリーズ対応のPCが出たのは非常にうれしいです。
特に、ASUS ProArt PZ13は、キーボード・カバー・ペンもすべて付属しておりますので、別途オプション品を購入する必要がないのは魅力です。
Snapdragon X Plus 8-coreの魅力は省電力性能で、パフォーマンスを少し抑えつつもバッテリー消費量がかなり抑えられており、電池持ちが向上しているのは非常に便利です。
高パフォーマンスな用途で使う、というわけでなく、ブラウジング・動画視聴やOffice・メールなどの用途がメインだったりする場合は、よりバッテリー消費の少ないSnapdragon X Plusがおススメです。
AI性能については、まだWindows Copilot+ PCのリコール機能が正式リリースされていないこともあり、評価は早いかと思います。だんだんとAI機能が増えてくると思いますので、今後に期待したいところですね。
一点、注意点なのがドライバーを必要とするデバイスが接続できないことでしょうか。
マウスやキーボード・プリンターは動くのですが、スキャナーなど一部のデバイスはメーカー側のARM対応ドライバーリリースまで待つしかないのが現状です。
また、Windows標準のIMEは使えますが、ATOKなどの3rd Partyの予測変換ツールを使いたい方は対応を待つ必要があります。ご注意ください。
Snapdragon Xデバイスが充実すると、アプリ・デバイスメーカーも対応が充実すると思われます。
今後のWindows周りの発展にも期待したいところです!
クアルコムから発表された「Snapdragon X Plus 8-core」については、別記事「クアルコム、PC向けSnapdragon Xシリーズに新ラインナップ追加!Snapdragon X Plus 8-coreを発表!電池持ち向上で買いやすく! 」にて詳しく解説しています。
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