こんにちは、MATTU(@sunmattu)です。
AI文字起こし・要約・翻訳ができるAI議事録アプリ「Notta」が、ついに録音デバイス「Notta Memo」を発売しました。
スマホやPCのNottaアプリで録音するだけでなく、会議の録音や音声通話もボタン1回押しで簡単に録音できます。
スマホと別のデバイスを使うことで、電話の着信があっても途切れることなく会議を録音することができます。
また、LINEやRakuten Linkなど、純正の電話アプリ以外でも骨伝導センサーを使って相手の声を録音することができ、非常に便利です。
「Notta Memo」を使うことで、どれだけ使いやすくなるでしょうか?
また、競合他社の製品で「PLAUD NOTE」がありますが、どのような違いがあるでしょうか?
使って感じた「Notta Memo」の魅力と、「PLAUD NOTE」との違いを比較レビューしていきます。
商品提供:Notta

AI自動文字起こしアプリ「Notta」に便利なデバイス「Notta Memo」が登場!
今回は、「Notta Memo」についてレビューしていきます。
そもそも、Nottaとは?
「Notta」は、Nottaアプリ上で録音・リアルタイム文字起こし・リアルタイム翻訳・要約ができるAIサブスクアプリです。

NottaアプリはAndroid・iPhoneの両方で利用できます(同時ログインは1台のみ)。
そのほか、Web版やChrome拡張機能を使って、Windows・MacのPCでも利用できます。

文字起こしや翻訳は、録音中に「キャプション」機能を使えばスマホの画面端にワイプで表示させて、別のアプリを操作しながら文字起こし内容を簡単に確認できます。

PCでも、指定したタブの音声を録音したり、オンライン会議を録音可能です。
オンライン会議の録音をする際には、Notta Botというもう一人の参加者を追加する形で録音をします。

Nottaの詳しい機能については、「異次元のAI文字起こしアプリ「Notta」が秀逸!リアルタイム文字起こし、要約、翻訳まで、全部入りの神アプリ!」にて詳しく解説しています。

Notta Memoは、待望のハードデバイス!会議を簡単に録音できる!

「Notta Memo」は、Notta待望のハード製品です。
Notta Memo自体は録音デバイスで、4つのMEMSマイクと1つの骨伝導マイクが内蔵されており、Notta Memo単体で会議などの音声を録音することができます。

デバイスは薄いカード型で、録音開始・停止にも使うボタンと、モード切替のスイッチ、ディスプレイもついています。
ディスプレイがついているため、状態が分かりやすいです。

裏面には充電端子がついており、充電も可能です。
基本的には常時MagSafe対応のケースにつけて持ち運ぶ形になりますが、ケースにも充電端子部に穴はあるため、ケースから出さずに充電は可能です。

Nottaアプリへの転送は、スマホにBluetoothで接続されていれば、録音中にリアルタイムで行われており、録音終了時にはすでにアプリに上がっている状態となります。
6月中に、Wi-Fiを使った高速転送にも対応されます。

Nottaアプリで録音していると、電話に応答したりカメラで動画を撮ったりすると録音が中断してしまいます。
Notta Memoは完全に別デバイスであることもあり、電話やカメラを使用しても、そのまま録音を継続できます。

録音終了後にテキスト化が走り始め、数分経たないうちにテキスト化は完了する
ただし、Nottaアプリでの文字起こしは、録音終了後に行う形となります。
Nottaアプリでの録音と異なり、Notta Memoの文字起こし・翻訳はリアルタイムではできないですが、「将来的には対応させたい」と発表会でも明言していました。

発表会の取材の際にNotta Memoで録音していましたが、途中でNotta Memoとの接続が切れてしまいました。
接続が切れた後はNotta Memo内部のストレージに録音ファイルが保存され、録音終了後に自動転送されます。
スマホとの接続が切れた後に再接続することもできますが、基本的には内部ストレージに保存している形です。
なお、録音が切れたポイントの前と後で録音ファイルが分かれていました。
Notta Memoとスマホの接続を切らせたくない場合には、アプリが終了しないように「起動状態を維持」の設定をしておいた方がいいでしょう。

Notta Memoで、電話やLINE・Rakuten Linkも、簡単に通話録音!

Notta Memoには骨伝導センサーが内蔵されており、通話録音も簡単に録音できます。
通話録音をする場合には、iPhoneやGalaxy・PixelなどのMagSafe対応ケースに、Notta Memoを純正ケースに入れて装着します。

通話録音は、左側にあるモード切替のつまみを上にあげるだけ。つまみを上にあげると、つまみの色が赤色になり、電話マークが表示されます。
▼レビュー動画内で、通話録音の録音音声を聞けます
録音を開始する際は、会議の録音と同様で、右側のボタンを長押しするだけです。
通話先の音声は骨伝導センサーで拾い、自分の声はマイクで拾う形で録音されます。
録音が終了したら、自動的に文字起こしが開始されます。

システムで録音できるGalaxyのほうが音声はクリアですが、文字起こしの精度は結構強い
多くのスマホでは通話録音の際に「録音を開始します」のアナウンスが流れますが、Notta Memoではアナウンスなく録音できます。
また、純正の電話アプリだけでなく、ほとんどのスマホで録音ができないLINE通話・Rakuten Linkでの通話など、アプリを選ばずに録音できるのも魅力的です。
ただし、本体のスピーカーを骨伝導で拾うため、ワイヤレスイヤホン経由の録音はできません。
イヤホン経由での通話録音をしたい場合は、Zenchord 1を使うといいでしょう。


Notta Memo購入者は「スタータープラン」が自動適用!

Nottaは、従来「フリープラン」「プレミアムプラン」「ビジネスプラン」の、大きく3つのプランがありました。
今回、Notta Memo購入者限定のスタータープランが登場しました。

1回あたりの文字起こし時間が5時間に拡充されました
今までのNottaの欠点は、「プレミアムプラン(月1800分)ほどは使わない…高い…」という人が使えるプランがない、という点でした。
フリープランでは「1回につき3分まで文字起こし可能」という制限があり、事実上会議では使えません。
今回、スタータープランの登場で「文字起こし月300分」かつ1回あたりの文字起こし時間も5時間と拡張されたことにより、普通に使えるプランとなりました。
Notta Memoを購入している方は、永久に無料になるのが非常に便利です。
また、スタータープランは、月間文字起こし時間以外はプレミアムプランと同一です。
機能的にプレミアムプランと同じものを、生涯無料で使えるのは非常にメリットだと思います。

Notta Memoは、PLAUD NOTEよりも使いやすい?似ているけど違う2つの録音デバイスを徹底比較!

Notta Memoは、見た目としてはPLAUD NOTEに非常に似ています。
が、意外と機能的にも異なる点が多い印象です。
Notta MemoとPLAUD NOTEにはどのような違いがあるか、実際に比較してみましょう。
Notta MemoとPLAUD NOTEの、ハードの違いと音質比較
Notta MemoとPLAUD NOTEの、ハード的な違いと音質を比較していきましょう。

Notta Memoにはマイクが4つ、PLAUD NOTEにはマイクが2つ載っています。

ハード的な違いは、そのほかにはNotta MemoはディスプレイですがPLAUD NOTEはLEDランプがある点ぐらいです。
充電端子も、独自形状ながら同じですが、充電ケーブルに互換性はなく、それぞれのUSBケーブル以外で充電はできません。

とりあえず、自分が話した内容を録音して聞いてみると、意外とPLAUD NOTEのほうがクリアな印象を受けます。
Notta Memoのほうが圧縮して録音されているようです。
▼部屋の中で自分が話した内容を録音した音声は、動画内で紹介しています。
録音した音声の音質は、PLAUD NOTEのほうが少しボリュームは小さめですが、音質がよさそうには聴こえます。
ビットレートはNotta Memoが24kbps、PLAUD NOTEは32kbpsで録音されており、2分30秒程度の音声をNotta Memoは447kB、PLAUD NOTEは593kBで録音されています。


Notta MemoとPLAUD NOTEの文字起こし精度比較

文字起こしとしては、上記の通り。
互角ですが、固有名詞の正確さはPLAUD NOTEのほうが若干上なのでしょうか。ここについては、分野によっても変わると思います。
「議事録」といった一般名詞の変換精度は、Nottaのほうが少し精確です。
PLAUDのほうは、「えー」「あー」といった口癖・フィラーを消して文字起こししてくれているのは好印象です。

AI要約については、短い文章では比較的近い内容を要約できています。
文字起こしよりも固有名詞等でも精度高く要約できているのは特徴的です。
発表会の取材でも、発表の内容を両方録音して使ってみました。


両方ともAI要約して使っていますが、Nottaでは最初にある程度長めな文章形式のまとめを表示し、その下に箇条書きで要点をまとめています。
PLAUDの方では、最初に「概要」として100字程度で簡単なまとめを記載したあと、細かめに内容が箇条書きで記されます。

Nottaの要約では、例えばOPPO Reno13 Aの詳細をがっつり解説している、というわけではなく、発表の中で触れられた特徴を簡単に1行ずつ解説しています。
基本的には「見出し」+1段階の箇条書きでの構成となっています。

一方、PLAUDのほうは、見出しが3段程度+体言止めでの箇条書きで構成されており、結構見やすい印象です。
テック系のデバイスですので、スペックなど網羅的に書かれており分かりやすいです。
ただし、PLAUDは章立てが少しぐちゃぐちゃになりやすい傾向にはあります。
実際には「OPPO Reno13 A」の説明をしているのに、途中で章が分かれているなど、あともう少し章立てがよくなればかなり使いやすい印象があります。

NottaのほうはAI要約自体がかなり簡潔で、発表会の中身を網羅的にまとめている感じではないですが、スタータープランでも「AIチャット」が使えるのが非常に便利です。
例えば、「OPPO Reno13 A」について、細かいスペックが知りたいときには「発表会で言及していたスペックを詳しめにまとめて」とチャットに聞けば、その通りに返ってきます。
チャットもすべてが正しいわけではないのですが、かなり体裁が整っていますしAI要約に付け加えることも可能です。
Notta Memo買い切りで使える「スタータープラン」でもAIチャットが使えるのは、Nottaの強力な味方ともいえるでしょう。


Notta MemoとPLAUD NOTE、機能の違いは?どちらのほうが使いやすい?
続きまして、Notta MemoとPLAUD NOTEの機能面での比較をしたいと思います。
Notta・PLAUDのアプリ・PCでの利用についても、一緒にまとめます。

まとめると、上記の通りです。
リアルタイム文字起こし・翻訳は、Nottaが一歩リード

Notta Memoではリアルタイム文字起こし・翻訳に、6月末にリリース予定と表明しています。
Nottaアプリでは現時点で対応している点、将来的にはNotta Memoでも対応したいという発表会での言及もある通り、対応は期待できそうです。
なお、PLAUDも、発表会にてリアルタイム文字起こしの対応をほのめかしており、今後の対応には注目していきたいですね。
翻訳をちゃんと使えるNotta。Nottaアプリではリアルタイム翻訳にも対応

また、Nottaは「翻訳」に公式として対応している点も便利です。
外国語環境で取材・会議など行う頻度が高い方には、翻訳のツールとして使えるのは非常に便利。
PLAUD NOTEやPLAUDアプリでは、このようなリアルタイム文字起こしに対応していない点、翻訳の対応ができていない点についてはNottaのほうが機能の面では使いやすいです。
なお、PLAUDも「翻訳は非対応」といいつつも、要約についてはメインの母国語に即して翻訳して要約してくれます。


オンライン会議(Zoom、Google meetなど)では、PLAUDのほうが使いやすい印象
一方で、オンライン会議の録音については、PLAUDのデスクトップ版(現状はWindows版のみ)では、別途Botを出席させることなく、相手の音声と自分の声を同時に録音することができます。
このオペレーション自体は、相手に気を使うことなくオンライン会議を録音できるという点で、PLAUDのほうが使いやすいといえるでしょう。



NottaとPLAUDの機器購入で使える「スタータープラン」の違いは?
NottaはNotta Memoの購入で「スタータープラン」を生涯無料で使えます。
一方、PLAUDはPLAUD NOTEの購入で「スタータープラン」を生涯無料で使えます。
この2社の「スタータープラン」の違いはどんな点があるでしょうか?
機能 | Notta スタータープラン | PLAUD スタータープラン |
---|---|---|
文字起こし時間 | 毎月300分 1回5時間(300分)まで | 毎月300分 (1回あたりの制限なし) |
ファイルインポート | 月100個まで | 可能(回数制限なし) |
翻訳 | 〇(リアルタイム文字起こし対応) リアルタイム: 月2回まで 事後翻訳: 文字起こし時間分の分数を消費 | × |
AI要約 | 月30回まで | 可能(文字起こししたデータなら 回数制限なし) |
話者ラベル | 〇 | 〇 |
特徴 | リアルタイム対応 翻訳対応 プレミアムプランと同等機能 (AIチャットが使える) | PCのオンラインMTG録音にも強い |
Nottaは1回あたりの文字起こし時間に制限があるものの、300分とプラン既定の月間300分と同じため、事実上回数制限がなくなりました。
Nottaは、文字起こし時間の「節約」はしにくい印象
使っていて感じたのは、Nottaでは録音データはアップロード完了後、無差別に文字起こしされます。

PLAUDも録音終了後、文字起こしは可能なのですが、文字起こしするファイルを選べます。
意外と、取材で使ってみると月300分は微妙に短いと感じていました。
「この会議はあまり重要じゃなかったから、文字起こししなくてもいいや…」といった文字起こし時間の節約をしながら使っていました。
Nottaでは、自動的に文字起こしができるという点では便利ではありますが、「スタータープラン」として使う際には月300分はやはり短めです。
文字起こし時間の節約はしにくく、「この会議は録音するべきか?」を会議が始まる前に考える必要がありそうです。
Nottaのスタータープランは、プレミアムプランとほぼ同じなのが魅力!翻訳目的なら文字起こし時間に特に注意
Nottaが強い「翻訳」についても、リアルタイムは月2回まで、事後翻訳する場合は文字起こし時間分の分数を消費するため、外国語環境の翻訳を使う方にとっては使える分数が短くなる可能性が高く、注意です。
外国語の翻訳を目的とするなら、「Notta プレミアムプラン」を使うことを視野に入れたほうがいいかもしれません。
一方、Nottaスタータープランは、表にあげた機能以外も有料プランのプレミアムプランと同等である点は、非常に便利です。
PLAUDのスタータープランとプロプランの間に機能差があります。
無料でも上位プランと同等機能が使えるNottaは、特に「AIチャットが使える」、という点ではかなり便利。お得感があります。


Notta Memoで、Nottaアプリの使い勝手はさらに向上!

Nottaアプリでの録音文字起こし・要約・翻訳はかなり機能的には完成されていたような印象もあったのですが、ハードデバイスの登場でより便利になりました。
同様なデバイスであるPLAUD NOTEとも比較してみると、意外と細かいハードや機能の違いもあり、得意分野にも差があるようにも思います。
ぜひ、使用シーンに応じて、Notta Memoを使ってみてくださいね!




